「姫……あんたのその望みは二度と叶わないと思うよ」
そして感想第一声がこれである。
姫、と言うのは私のこと。
その由来は、ただ単にベルフェゴールが好きで好きでしょうがないって言う二次元に突っ走りまくっただけのめっちゃくちゃイタイものなのだ。
私と言う人間は、頭がよく二次元にぶっ飛んでいく……いや、fly away三次元の女の子(今疑問符つけたのだれだよ私はれっきとした女子ですよ!)である。
……え、なんで英語で言い直したのかって?
雰囲気ですよ、雰囲気。
突っ込んだら負けなんですよ。
今はとにかくリボーンにハマっていて、最近はよくリボーン関係の夢を見ている。
因みにイタイ子だなんて言うのは自覚済みだからね!!
「て言うか、本当にマジの刀なんて手に入れちゃったら銃刀法違反、しかも超イタイ子だよ?」
「黙れ獄寺夫人」
「なっ!?」
自覚はしてるんだけどこいつにだけは絶対に言われたくない。
私よりも遥かにイタイ子である、通称・獄寺夫人。
由来はもちろん、獄寺を愛し過ぎて困っているから。
こいつが書く夢小説なるものはすべて獄寺オチとなり、前髪が真ん中分けと言うだけで友達に「いいなぁ」を連呼し続けた、対処法のない手のつけられない末期の子。
あまりの五月蝿さに前髪を真ん中分け(ナッポーヘアーの代償つき)にしてやったのはここだけの話。
「あっはっはっはっはっはっはっは!!!」
そんな私たちのやり取りを隣で大爆笑しているのは、この三人の中では一番の常識人であり、Sっ気全開の通称・ドSちゃん。
因みに、私の“姫”やバカの“獄寺夫人”はこの子が命名したのである。
でもって、“ドSちゃん”と言うのは私が命名した。
「自分で考えたあだ名で大爆笑って、本当にSだよね」
「だってやっぱり獄寺夫人ってあっはっはっは!!!」
再度ツボった。
よし、ここは便乗して。
「「あっはっはっはっはっはっはっは!!!」」
「二人とも性格悪くないっ!?」
「「黙りなさいイタイ子」」
「だから酷くないっ!?」
いや〜、バカを弄るって本当に楽しいよね♪
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ヴァリアーアジト。
「みんな、ご飯よ〜」
ルッスーリアがフライパンをお玉で叩きながら声をかける。
この時代にその組み合わせとか、いやいや古すぎだって。
「いただきまーす」
各々で食べ始める。
「ルッス先輩ってーキモいオカマなのに何気料理美味しいですよねー」
はいでた。
フランの毒舌!
誉めてるのか貶してるのか分からないところがいいよね。
「ん……」
目の前にあるサラダを一口食べたら、何か物足りないような気がした。
んーと、えーと……。
「あ、そーだ。生卵をかければ」
刹那、食堂の扉が開いた。
「ゆで卵」
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がばっ
………………。
最悪だなコノヤロー。
何でなんだよ。
何でゆで卵なんだよ。
生卵ってゆーたやろコノヤロー。
あー、むしゃくしゃする。
まだ夜だし、もっかい寝よ。
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「それではチョイスを開始します」
高層ビル群のど真ん中。
漫画読んだときも思ったけどさ、よくもまあこんなところで戦ったよね。
さて、夢の中での時間の流れはメッチャ早い。
気づいたら……おい!
桔梗が獄寺んとこ突破してこっち来とるやんけ!?
ここは私が食い止めねば。
使うものは、たらららったら〜再登場・兄貴の愛用刀(ドラ○もん風)。
しかも今回はちゃんと斬れる仕様ですぜイェイ!
刀を構えて待ち伏せる。
よし、姿が見えてきた……と思いきや私の手から刀が消えていた。
あれ、どこ行った?
次の瞬間、お腹に貫くような激痛が走った。
もしや、なんて思いながら見てみると、消えたと思っていた刀が、私のお腹を貫通していた。
柄を握っているのは、桔梗。
刺されたところからジクジクと痛みが広がる。
あれ、おかしくない?
何で夢の中なのにこんな死ぬほど痛いの?
勢いよく刀を抜かれて再び鋭い痛みに襲われ……そのまま視界が闇に染まった。