幼少編(イタリア)
5
目を覚ましたとき、私の顔を覗き込んでいたのは、お母さん。
その顔には、不気味な笑みが浮かんでいる。
「キャアアアアァァアアァア!!!!」
ウソだ!!
お母さんは…私が…私が……ッッ!
「いやあああぁあ!!」
今度は、向こうが悲鳴をあげた。
気付けば私の手にはナイフが握られている。
バンッ
さらに三人が入ってくる。
「ウ…ソ……。お父さん? お兄ちゃん?」
何で?
何でみんなここにいるの?
何でみんなイキテイルノ?
だってみんな私が……私が……
ワタシガコノテデコロシタハズナノニ。
不意に、腰についているものに気づいた。
それは、銃だった。
ベッドを降りると、生きているはずのない彼らにその銃口を向けた。
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