幼少編(イタリア)
69
翌日3:00
〜スクアーロの部屋〜
スクアーロside
そろそろ、出発の時間だな……
=回想=
ルッスーリア「ねぇスクアーロ、本当に美鈴ちゃんを行かせるの?」
マーモン「もしものことがあったらどうするのさ」
スクアーロ「もしものこと?」
マーモン「暴走だよ」
スクアーロ「ああ? そのためにベルをつけたんだろうが」
マーモン「僕が言ってるのは、町を焼く焼かない以前の問題だ」
スクアーロ「じゃあなんだ」
マーモン「前に言いそびれたことさ。美鈴には、彼女自身も気づいていない隠れた力がある」
全員「何っっ!?」
ルッスーリア「ど、どう言うこと? なぁに隠された力って」
レヴィ「貴様、何を言っているのだ」
マーモン「正直なところ、僕も詳しくはわからないし、確信があるわけでもない」
レヴィ「何!? 貴様ふざけているのか!?」
マーモン「ふざけてなんかいないさ。ただ、僕の幻覚をボス以外で唯一見破った人間だ。しかも無意識の内にね。そして何より、人の気配を感じることができるらしい」
ルッスーリア「人の気配なら、私たちでも…」
マーモン「ルッスーリア、僕はそんな次元の話をしてるんじゃないんだ」
ルッスーリア「え?」
マーモン「美鈴はどんなに離れた場所にいても、相手の強さと場所を無意識の内に察知している。かつて彼女は、それを“霊圧”と呼んでいた」
スクアーロ「霊圧? なんだそりゃ」
ルッスーリア「聞いたことない言葉ね」
レヴィ「それが、奴の隠された力だと言うのか」
マーモン「そうさ。けどさっきも言った通り、本人は無意識ゆえにその存在に気づいていない」
ルッスーリア「もしその力が暴走してしまったら…」
スクアーロ「……思った異常に厄介なことになるかもなぁ」
=終=
マーモンが言っていた隠された力…
本当にそんなものがあるのか、いや、あるからこうなってんだ
それに気づくのが先か、暴走するのが先か……
コンコン
スクアーロ「っっ!?」
美鈴『スクアーロ、私』
スクアーロ「(ふぅ)どうした」
美鈴『私たち、もう、行くね』
もうそんな時間か…
スクアーロ「……気を付けて行けよ」
美鈴『うん…ありがとう』
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