幼少編(日本)



26


美鈴「あう、疲れた…」

ツナ「ボールぅ!」

美鈴「(しばらくヴァリアーの活動しない内に体鈍ったかな…? 付いていけない…)」

ツナ「ボールぅ!」

美鈴「うー…」

ツナ「ボールぅ! ……ひっ! うぐ…うええええ!!」

美鈴「!?(ビクウッ」

奈々「ツー君どうしたの?」

ツナ「いぬっ…いぬっ…」

家光「なんだ、チワワじゃないか」

美鈴「(チワワで泣いた!?)」

奈々「ごめんね悠里ちゃん。ツー君犬が怖いみたいで」

美鈴「………」

奈々「悠里ちゃん?」

美鈴「……いいなぁ(ボソッ」

奈々「え?」

美鈴「おとーさんとおかーさんがいて、こんな、幸せそーな家族、私もほしかったなぁ……(ボソッ」

9代目「悠里ちゃん?」

ポウッ

ふと、美鈴の姿が少しぶれた。

家光「これは…」

よく見ると、とても薄い炎が体を覆っていた。

銀色の炎。

9代目「…………!」

それとなく触ってみたら、とんでもないことが起こった。

轟く怒号。

響く断末魔。

地面を染める赤い血飛沫。

空を彩る紅蓮の炎。

9代目「これは、この子の過去なのか?(だとしたら、悲惨すぎる。残酷すぎる)」

家光「どうしますか?」

9代目「彼女には悪いかもしれないが、記憶を閉じ込めるしかない。然るべき時が来るまで」

家光「そう、ですね。きっと」

9代目が美鈴の頭に手を乗せる。

刹那、崩れるようにして美鈴が倒れた。

家光「これでこの子が、幸せになれるのでしょうか」

9代目「分からない。けれど、子供とは大人が思うより強く、逞しいものだ」



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