因みに壮五くんからきたラビチャがこちら。
『僕壮五さん。今寮をでたよ。』
『僕壮五さん。今寮の近くのコンビニにいるよ。』
どっかで聞いたことあるな…これ。元ネタは確か電話だったはずだけど。
『僕壮五さん。今君のマンションの前にいるよ。今から部屋まで行くね』
因みにこの最後のラビチャが来たのが10分前ぐらい。なので部屋にたどり着いていてもおかしくない。
そんな時インターホンが鳴り響く。
少し怖いが勇気を出して相手を確認する。
「いらっしゃい…。壮五くん。」
「ごめん…開けてくれない?」
私のマンションはオートロックだったから入れなかったみたい。壮五くんだし、大丈夫だろうと思ったのと放って置けなかったので解除してあげた。
「会いたかったよ〜!千秋さん!」
入ってきてそうそう私に抱きついてきた壮五さん。普段の彼ならあり得ないだろう。
「壮五くん!もう重いよ!。」
「ごめんごめん。えへへ…。」
何とか壮五くんを引き離して椅子に座らせる。酔っ払ってらしゃっるので頬を赤らめながら笑う彼。正直に言おう。めっちゃ可愛い…!!
「どうしてまた急に会いに来たの?」
「会いたくなったからじゃダメ?みんなで君の話してたから…。」
そういや大和さんもそんなこと言ってたっけ。
「何で私の話してたの?」
「えーと。千秋さんが寮に忘れ物してて、届けなきゃってなったから〜。忘れ物忘れて来ちゃったけど。」
何しにきたんだよ。と思ったが、酔ってる手前何言っても無駄か。
「来ちゃいけなかった?僕たち付き合ってるから来ても大丈夫かなーって思ったんだけど…。」
「ダメじゃないよ?ただびっくりして…。」
「じゃあ僕と呑もう!僕お酒買って…」
壮五くんは立ち上がって玄関に向かって行った。これ以上呑ませてたらまずい。そう思った私は何が何でも壮五くんを止めようとしたけど、壮五くんは玄関を目前に倒れた。
「壮五くん!!大丈夫?」
どうやら力尽きて眠ってしまったみたいだ。ここで放って置くわけにも行かないか。壮五さんには申し訳ないけど少し引きずりながら壮五さんを布団へ運ぶ。
あ、大和さんに連絡しておこう。ラビチャで今日は家にとめるので明日連れて行きますっと。付き合ってるの内緒にしてるからごまかしたかったけど、心配されてるし、もういいや。これで大丈夫かな。
ベッドに寝かせた壮五さんから離れようとしたら手を掴まれてしまった。
「どこ行くの?」
「ソファーで寝ようかなって思って。」
「嫌だ。一緒に寝て。」
「さすがにそれは…。」
「寝てくれなきゃ離さない。」
無理やり離そうと試してみたがものすごい力だ。失礼ながら壮五くん力無さそうに見えるのに!!
どうしようもないのでこれは一緒に寝るしかないようだ。
「ありがとう。じゃあおやすみ…。」
そう言って壮五くんはしっかり私の手を繋いで眠りに落ちるのだった。
翌朝、起きると壮五くんが正座していた。
「僕は酔った勢いで嫁入り前の女の子になんてことを…本当にごめん!!」
土下座する壮五くん。いやいやいや、待って待って。
「落ち着いて。一緒に手を繋いで寝ただけだから!私何もされてないから!!」
「え…そうなのか?」
「本当だよ。いきなり家に来た時はびっくりしたけど。」
「そうだ。僕は大和さんと三月さんと一緒に呑んでたんだ。そこから記憶が曖昧なんだけど…。」
「私に忘れ物を届けようとして来てくれたみたいだよ。」
「何となく思い出して来たような…。とりあえず僕は先に行くね。一緒に来たらみんなに怪しまれちゃうだろうし。」
「そうだね…。一応付き合ってるの内緒にしてるし…。多分大和さんと三月さんには今回の件でバレたと思うけど。」
「う…。完全に僕の失態だな。今後は気をつけるよ。本当にごめんね。」
「壮五くん。私壮五くんだから家に招いたんだから気にしないで。壮五くん以外だったら絶対に酔っ払いになんて家にあげないから。」
「僕以外絶対にあげちゃダメだからね!!」
携帯を見たら大和さんからラビチャの返信が来てた。そうか。そうか。ごゆっくり。っと。
そのあと壮五くんは寮にちゃんと帰ったらしいが大和さんと三月さんに色々事情徴収されたそうな。
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