※円風前提のモブ(複数)×風丸です
※風丸離脱(風丸視点)〜DE後(円堂視点)
※エイリア石の対価に身体を売る風丸さん
※円風は一応付き合ってる設定です
俺は強くなりたかった。
たとえ、それがあいつを裏切るような行為だとしても。
いや、実際に俺は裏切ったのだ。
純粋に向けられる信頼を踏みにじって、俺はあいつを倒す為の身体へと造り変えられる。
後悔は、ない。漸くあいつの――円堂の隣に立つことができるのだから。
もう後ろ姿を見続けるのは嫌だ。
強くなれば、どれだけ走っても追い付けない円堂の背に、自分の非力さを思い知る必要はなくなる。
ずっと、円堂の隣に、そして追い越すことを望んでいた。
なのに願うばかりでどうにもできなかった自分を、やっと変えることができる。なんて素晴らしいことなのだろう。
その為ならば、俺は全てを捧げてもいいと思った。
むしろ、この身体を売ることで、欲した力を得られるのなら、安いくらいだと。
だから、いつか、円堂がきれいだと言ったこの身体を、見知らぬ誰かに穢されることすら、俺には何の苦にもならない。
何も感じない。
そう、思い込んでいた。
どうして涙が止まらないのだろう。
複数の男の手が全身を這い回り、官能を引き出していく。
幾度となく開かされ、蹂躙され続けた俺の身体は、与えられる快楽にすっかり従順になっていた。
もう戻れないところまで来てしまったらしい。
絶頂を繰り返し、とうに疲れきって指ひとつ動かせなくなっても、その陵辱は終わらない。
けれど、嫌だと悲鳴をあげる心とは裏腹に、浅ましい身体は素直に男の熱を求め、受け止める。
円堂、円堂、円堂。
俺は心の中で何度もあいつを呼んだ。
それでも、誤って口走ってしまいそうな時には、唇を噛んで必死に耐えた。
敏感な部分を撫で、いやらしく玩ぶ大きな掌が、円堂だったらどんなに良かったことだろう。
出したくもない喘ぎが、口から零れる。
女のようなそれが耳障りだった。
男たちの責めたてる言葉も、鳴り止まない水音も、全て。
――好きだ、風丸。
目を閉じれば、円堂の顔が浮かぶ。
俺なんかを好きだと言ってくれた円堂の、きらきらと輝く真っ直ぐな瞳を見ることは、きっともうない。
俺は円堂を裏切るのだから。
裏切ってしまったのだから。
ごめんな、円堂。
心の中で謝ることさえ、俺には許されなかった。