(今日は風が強いな……) と思いながら長い髪を耳にかける。 やっぱり髪を切るべきだろうか。 なんとなく切りたくなってきた。 それより、今日出るはずの雑誌があればいいんだが…… 「よ 佐久間」 いきなり呼ばれて振り向く。 「ふふ ふ 不動……?」 「何 どうかしたか?」 「い いや 違う」 な 何で不動がこんなところに。 「佐久間、何やってんの?」 「え あ 俺は雑誌を買いに……」 「へぇ 何の?」 「な 何の……えと ファッション 「ぶ、ぶふははは!!佐久間君そんなの読んでんの?!マジで?!」 いきなり不動が笑いだしたので俺は戸惑ったが、自分が馬鹿にされたことに気づきムッとする。 「いいだろ!俺だってファッション誌ぐらい読む!!」 「ふふ、あ あはは……はいはい わかりましたわかりましたー」 「たく……お前は何しに来たんだよ」 「は、は?別に?」 「……何しにきた」 俺は不動の肩をガシッと掴む。 「お前が本屋にくるとか何かあるに決まってる!!」 「俺はただ…しょ、小説買いにきただけ 「ぶはは、はは!!不動が小説ぅ……嘘つけえ!!!!どーせオカズ本だろ?!」 「お前ぶん殴るぞ」 すると店員が咳払いをした。 「……あ そろそろ行くかな」 「は お前雑誌買ったのか」 「いいから行くんだよ!」 俺は不動の手を掴み引っ張った。 「ち 小説買えなかったじゃねぇか」 「いや俺もだから」 二人で黙る。 「つかお前だけ逃げればいいだろ 俺巻き込むなよ」 「は お前、ちょっとは感謝し え 待て。俺 なんで不動まで連れてきたんだ? 「佐久間…?」 俺はばっと不動に背を向ける。 「お 俺 先 帰る」 「は ここまで付き合わせといて そりゃねぇよな 佐久間」 「ほ ほら 不動は小説買えよ、な」 「おい 佐久間」 腕を掴まれてしまった。 「どーしたんだよ」 「ど どうもなにも……え?」 「は? 大丈夫かよ お前」 「だ 大丈夫……」 あああ…どうしよう。 今 顔見られたら。 「ち こっち向けよ!」 掴まれていた手を引っ張られる。 「あ……ふ ふど」 「おま…顔真っ赤 熱あんじゃねーの」 「ち 違う、違うんだ…」 「は?じゃあ何」 どうしよう隠しきれない (言ってしまいたい、でもそんなこと…) ********** こんな風に仲良しな佐久間と不動が好き たまには不動が鈍感でもいいじゃない そんな感じ |