「もう春だね!」 横に並びグランドの水道の蛇口をひねりながら緑川はにこっと笑った。 水が蛇口から流れる。 「ああ、もう暖かいよな」 「はやく夏にならないかな!!」 「ん?…夏なんて暑いだけだろ」 「違う違う違う!!」 緑川はていっと俺に蛇口から流れている水をかけてきた。 冷たくて気持ちいい。 「アイスやかき氷……後はそーめんとか!!」 「あ……食べ物目当てか」 「当たり前じゃん!!それからお祭り!!」 「それも食べ物目当てだろ?」 そうくすっと笑ってやれば緑川は「ふふん」と鼻で笑った。 「まぁね、沢山食べてみせるよ。風丸、一緒に行こうね!!」 と腕を掴まれた。 緑川の手は水で冷えていて気持ちいい。 「ああ もちろん」 緑川とお祭り……今から考えただけでわくわくする。 「はやく夏にならないかな」 「あ 風丸もじゃん」 「緑川とお祭りに行きたいんだよ」 すると緑川はボッと顔を真っ赤にする。 「……どうした?」 わざとくすっと笑ってきいてみる。 「なな 何でもないよ、」 ああ、可愛いなぁ。 「緑川、」 蛇口を閉めて水を止めた緑川は俺の方を向かずに「ん?」と言った。 「海に行こうな」 「うん」 「また商店街行こう」 「うん……」 「それから、」 それから、それからそれから 「夏休みの宿題とか……あ あと 部活とか……あと」 「ぶふっ…」 緑川が吹き出す。 「あっははは…は、はは、欲張りだなぁ」 「よ 欲張りって…何だよ…」 「だって欲張りだもん」 ぼふっと俺の胸に飛び込んできた。 「ずるい ずるいよ」 頭を撫でてやる。 あ 猫みたい。 「だって、それずっと俺といたいってことじゃん……」 「……!!」 俺の胸に顔を埋める。 緑川の顔はよくみえないけど耳は真っ赤だった。 「……ああ そうだよ」 「ば、……か」 隣同士がいちばん自然 (なら、ずっと一緒にいようよ) ********** 風緑…になってますか… 一応、両想いなはずです ずっと一緒にいる風緑が好きです request thank you! またよろしくお願いします Thanks title! 確かに恋だった |