両手いっぱいに洗濯物を持ちながら廊下をとてとて歩く。

「うお グラン!!あぶね!!」

その声が聞こえた途端に洗濯物が宙に舞う。バサバサと自分の上に畳んだばかりの洗濯物がぐちゃぐちゃに落ちてきた。

「ぁ……ぃたた」

腰を抑える。今の衝撃で自分にもダメージがのしかかる。どうやら後ろに飛ばされた瞬間に床に腰をぶつけたらしい。

「あ……あはは」

ぐちゃぐちゃになってしまった洗濯物を見ながら笑う。

「笑ってる場合かよ……たく……あんたは本当に不注意だな」

と洗濯物をひょいひょい拾いながら俺に呆れた顔で言ってくる。

「晴矢だって飛び出して来たじゃないか」

「いやいや 俺歩いてただけだから」

「そうかな」

俺も洗濯物を拾う。

姉さんが綺麗に畳んだ洗濯物。なんて謝ろうか……。

「よし ほら 俺も手伝ってやる」

「え?何を?」

「は?洗濯物を畳むんだろ?」

「え うん……」

まさか晴矢が手伝ってくれるとは思わなくて驚く。すると晴矢は「なんだよ」とむすっとした。

「いや ありがとう 晴矢」

「あ あぁ ほらほら拾え拾え」

俺は晴矢に言われた通りに洗濯物を拾う。

「それにしてもハンパねぇ量だな」

「家族が多いからね」

すると晴矢は「だな」と言って洗濯物を畳みはじめる。

「ちょっと晴矢 ぐちゃぐちゃに畳んだら意味ないよ」

「は?畳んでんだからいいだろ」

「よくないよ……」

ため息をつくと晴矢がまたむすっとする。

「ち 俺はもう行くからな」

「え?」

晴矢は歩き出す。俺は咄嗟に晴矢の足を掴んだ。

「うわっ!!な なんだよ」

「い いかないで…」

「は…?」

「お願い……」

「……」

晴矢は頬を赤らめる。

「し…しかたねぇな」






君と一緒に、洗濯物畳み
(俺 何もできねぇかんな)
(うん いてくれるだけでいいよ)
(……お おぅ)





*****

こんなバングラも美味しい…
洗濯物を畳めない晴矢たん可愛い




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