「風丸君 どこいく?」

「そうだな」

腕をゆっくり掴んでくる吹雪はにこにこしながら頬を赤らめる。

俺達は今 買い物にきている。
おそらく世間一般的にはこれはデートだろう。吹雪はそれを自覚しているのかさっきからもじもじしている。

(まぁ お前らしいよ)

そんな風に思い、どこへ行こうかと考える。最初はスポーツショップへスパイクを買いにきたのだが今日はやっていなくて仕方ないのでぶらぶらと歩いているのだが。

(帰って吹雪と遊んだほうが楽しいかな)

だけどせっかく午後の練習がなく、外に買い物にきたのでたまには吹雪と外で遊びたい。

「吹雪はどこいきたい?」

「……そうだなぁ あ あそこ」

と吹雪が指す方向には洋服屋さんがあった。

「服……みるか?」

「うん」





「わぁ…これ豪炎寺君好きそう」

「あ わかるわかる 着てそう」

そう言いながら吹雪は「これは鬼道君」とか一つ一つに誰が着てそうとか解説しながら服を楽しそうに見ていく。

(案外 みてるな)

ぼーっとしてそうに見えて人をよくみているなと感心する。

(まぁ 本人は気づいてないだろうな)

「これ 風丸君に似合うよ」

と一枚のパーカーを俺にあわせる。確かに俺が好きなデザインだ。

「似合うよ…かっこいい」

「そうか?……吹雪はこれだな」

と俺も吹雪に似合いそうな服をあわせる。自分的には吹雪はなんでも似合うけど。

「わぁ 僕こういうの着てみたかったんだぁ」

「買えばいいじゃないか」

「に 似合う?」

「似合うからお前にあわせたんだぞ」

「本当に?」

吹雪は服を抱きしめて頬を赤らめる。

「じゃあ風丸君もパーカー買いなよ」

「そのつもりさ」

お互い笑い合えばやっぱり買い物にきて良かったって思う。

(買い物って……いいなぁ)






君と一緒に、お買い物
(これ着て今度またデートしようよ)
(ああ いいぞ その前に世界一にならなきゃな)
(そうだね それまでは我慢我慢)





*****

一緒にお買い物してたらいいなぁ……




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