横目ですぅすぅと寝息をたてている緑川を見る。俺は欠伸をしてそっとこいつのほどけてしまった髪を撫でる。

「緑…川」

名前を呼ぶがどうせ起きるわけでもない。俺は目を細める。

(なんでこいつなんだろう……)

何故、俺はこいつを恋人に選んだのだろうか。もっと誰かいただろうに。

こいつが可愛いのも、優しいのも……俺はわかっている。

だけどそれだけなのか。それとも

違うのか。

「ん……ぅ ふ…ど」

寝言だろう。そう言うと緑川は眠りながらも微笑んだ。

(……つまんねぇ奴)

そう思いながら俺は緑川の頬をつねる。

「ん…ん…ぃぅ」

「たく…よく寝るよな お前」

「ふ…ど?」

目をこすりながらゆっくり目を開ける緑川。

「もう6時だっつーの」

「え……ぁあ 起きなきゃ」

ゆっくり身体を起こす緑川。するとバランスを崩して俺の上にのしかかってきた。

「っ…ち」

「え…あ ごめん」

なんだか新鮮な眺めだ。

まるで俺が緑川に押し倒されているみたいで。

「痛いとこ……あっか?」

「いや…大丈夫だよ 今日はすっきりしてる」

「ぁあ?なんだそりゃ」

お互い顔を見合わせ微笑む。

「キス……していい?」

「無理 お前からされるとかマジで無理」

「な なにさっ……俺からだってたまにはしたいよ……」

「ほら早くどけよ」

「するまでどかない」

「おい 早くしないと鬼道達起きるぜ」

「し 知らない……知らないもん!!」

俺はため息をもらす。

(意地っ張りな奴……マジで子供)

「し……していい…?」

「……」

「不動……お願い」

「……好きにすればいいだろ たく…」

「ほ 本当にっ?!」

にこにこする緑川は案の定この世で見たどんな奴より可愛いかった。

(俺も…甘いな)

「目……閉じて」

「はいはい」

ゆっくり目を閉じる。

だがいくら待ってキスする気配すら感じられない。

ゆっくり目を開けると緑川が目を閉じてキスしようと頑張っていた。

(……ち)

俺は緑川の頬を掴み自分の口へと持っていく。

そして熱烈なキスをしてやる。

部屋に水音と緑川の喘ぐ声が響きわたる。

「ぁ…ふ 不動…ばかぁ」

「お前が早くしないのが悪い」






















好きだ、そういうところが
(つ 次こそ……してみせるからね)
(次?ねぇだろんなの)
(……ぅう)










**********

緑川受アンケート2位の不緑です

なんかにゃんにゃんの翌日の話的な

緑川が負けず嫌いで不動にキスしようと
頑張るけど結局不動がしちゃうみたいな
のがかきたかっただけ(笑)




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