気づくとそこは見覚えのある景色だった。
でもそれがどこかはわからない。

「涼しい……」

風が気持ちい。自分の結んでいる髪が風に舞う。

「……緑川」

「…?」

振り向けばそこにはヒロトが立っていた。俺は一人だと思っていたのでヒロトがいたことが嬉しくて駆け寄る。

「ヒロト…!!」

「緑川…あのね」

「うん?」

ヒロトが何か言っているのはわかるけれどなぜかそれが聞こえない。

「え…?何?」

「――――」

「聞こえないよ…ヒロト」

「今の緑川には聞こえないんだよ」

ヒロトは悪戯っぽく笑う。

「え どういうこと?」

「さぁ…ね?」

くすくす笑うヒロトは俺に背を向けて歩き出す。

「ちょっと ちょっと待ってよ!!」

金縛りにあったかのように身体が動かない。

「ひ ヒロト!!」






「ひ……ろ…と」

「緑川…緑川起きて」

誰かが俺を揺さぶっている。
聞き覚えのある声。

「夕飯だってよ みーどーりーか

「ヒロト!!」

俺は声の主がヒロトだと気づくと咄嗟にヒロトの腕を掴む。

「え…何?」

「ヒロト…ヒロト」

「…怖い夢でもみたの?」

ある意味怖い夢だが、特にそうは思わない。

(あの夢で聞こえなかったヒロトの言葉は……何だったんだろう)

今のヒロトに聞いて わかるだろうか。

だが気になって仕方がない。

「あ あのさ ひ…ヒロト……」

「ん?」

「俺に…言いたいこと ある?」

「え……緑川に言いたいこと?」

俺は大きく頷く。

「うーん 好きとか 大好きとか」

「……違う」

なぜかこれだっと思わない。

「え?」

「いや 夢でヒロトが俺に何か言ってるんだけど聞こえなかったんだよ……それで聞こえないっていったら

「いつかわかるよ…って?」

「そ そう!!なんでわかったの?!」

「俺ならそういうな って思ってね」

ヒロトは得意げににこにこしている。

「なんかわかる?!」

「そうだなぁ……あ うーん」

どうやらわかったみたいだ。俺はヒロトに「教えて?」と言う。

「……今までずっと俺が言えなくて困ってたやつなんだけど…」

「え?」

ヒロトは珍しく頬を赤らめよそを向く。

「な なになに?きになる!!」

「え……いやぁ」

いかにも言いたくなさそうだ。けどどうしても気になったので俺はヒロトに抱きつく。

ヒロトはびっくりしたのか硬直している。

「み 緑川……たく 甘えん坊なんだから」

「だって、教えてくれないんだもん」

ヒロトは「仕方ないなぁ」と俺と面と向かい合う。

あれ なんかドキドキする。

「一度しか 言わないよ」

「う うん……」

ヒロトは数秒俺を見つめると口をゆっくり開く。

「愛してる……リュウジ」

顔が真っ赤になるのが自分で分かる。

心臓がはやくなる。

(これ……夢の)

「ひ ヒロト……」

ヒロトは俺を抱きしめキスをしてくる。
休む暇もないぐらい熱烈なキス。

「……んぅ」

声が漏れる。ヒロトはそのまま俺を押し倒した。

「ぇ……ヒロ…と?」

「ごめん……我慢出来ない」






















その言葉魔法のようで
(ひ ヒロト……待って!)
(待てないよ 緑川)
(ぁ…や やだぁあ)










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緑川受アンケート1位の基緑です
ちょっと意味不ですが
こんな感じでお願いします

ヒロト 夕飯忘れてるよ\(^p^)/
実際は私が忘れてました
すいません…(笑)




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