「緑川 こーれ」

渡されたのは一冊のノート。そう 普通に授業などで使うあのノートだ。

「何……これ くれるの?」

首を傾げて苦笑する。

「違うよ 交換日記さ」

「は え こ 交換日記ぃい?!」

つい声が大きくなり廊下でやりとりをしていた俺達はたまたま通り過ぎた奴らに何事かと振り向かれる。

「ちょっと ど どういうこと?!」

ヒロトの肩を思いっきり掴む。

「え?緑川と交換日記したいだけさ」

「……なぜ」

「したいから」

肩を掴んだ手をため息混じりに離す。ヒロトはくすっと笑いながら「じゃあよろしくね」と自分の部屋に入っていった。

「え……ちょっと!!」

「あの……」

後ろを振り向くと立向居が立っていた。

「何かあったんですか?」

「え いや……」

立向居は心配そうにこちらを見つめる。

「えと こ これ……」

「ん?」

思いっきって立向居にノートを見せる。

「このノートは……」

「交換日記のノート」

「こ 交換日記…!!」

立向居は「おお」と驚く。

「誰とやるんですか?」

「ヒロト」

「ヒロトさんか……それがどうかしたんですか?」

「いや……男同士で交換日記って…ちょっと」

「関係ないと思います」

きっぱりと即答された。立向居はにこっと笑う。

「緑川さんがただ一日の日記をかいてヒロトさんに渡す ただそれだけの理由に性別は関係ありますか?」

「え あ うん……」

いきなりの立向居の大人びた答えに驚く。

「じゃあ 頑張ってください 俺 応援してます」

「あ ありがとう……」

立向居が行ってしまえばもう受け取るしかないノートを抱きしめる。

“性別は関係ありますか?”

さっき言われた言葉を思い出す。

(性別は関係ない……それはわかってる)

だけどなんだかこの体中からこみ上げてくるこの感情がわからない。おそらく名前がわからないのだろう。

(……なんだろう)

でも嫌じゃない。心地よい。

(書いてみようかな 交換日記)





















との
(なんて書こうかなぁ)










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交換日記ネタは続きます(笑)

私も小学生の頃に交換日記を三冊も違う子とやっていたの思い出します
緑川もやらせたいな……ヒロトだけじゃなくて風丸とか不動と




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