「不動 パス練 一緒にしないか?」

なんだか珍しく練習に誘われた気がして後ろを振り向くと風丸が苦笑しながら立っていた。

「ああ?珍しいな」

「たまにはお前と練習したくてな」

とボールを蹴ってくる。俺は仕方なく蹴り返した。

「お いいな 今の」

「何がだよ」

「ん?蹴り返したボールの強ささ やっぱりお前って凄いよな」

顔がちょっと熱いことに気付く。

(な まさかだろ…俺)

首を振り風丸の方を向き直した。

「ほら」

そういいながらまた蹴ってくる風丸。

俺が知ってるあいつの情報は 足が速くて案外周りをよくみている。鬼道の情報(まぁ 呟いたに等しい情報)によればこいつは元は陸上部でそれで足が速いらしい。キャプテンの円堂とは昔からの幼なじみだということも確か言っていた。

俺は考えながら風丸のボールをまた蹴り返す。

「よし 今度の試合が楽しみだな」

「は?」

「不動がいれば勝てる気がするんだよ 俺」

また変なことを言いはじめたぞ こいつ。

「んなの お前の思い込みだ 俺はどうせまたベンチスタートさ」

「思い込みじゃないと思うんだが……ベンチスタートだってちゃんと試合に出られるんだからいいんじゃないか?」

「まぁな ベンチからだと相手の動きが見えてすぐに攻略できる」

「そうなのか?」

「お前もベンチにきたら一回 ボールよりボールを持っていないやつらを……」

はっとなる。

(な なに語ってんだ……俺)

いつもの自分ならこんなやつすぐに追い払えるのに。

なぜだ…?

「不動?」

顔を覗き込まれる。

顔が真っ赤になったのが自分でわかった。

「な なんでもねぇ…よ ほら パス練すんだろ 早くしろ」

「あ ああ」

またパス練は再開される。

いつの間にか韓国戦以来 風丸とは少しずつ話すようになった。

あの時はあいつはもの好きな奴だと特別に見ていた。

だが…

影山との試合後……鬼道や佐久間と打ち解けたからか他のチームメイトも少しずつ話すようになった。

だからもう風丸が特別 俺に話すわけじゃない。今は基山やあの飛鷹だって話す時は話すのだ。

(なんだ……これ)

自分がわからない。

風丸がわからない。

「不動 大丈夫か?」

肩に手を置いて顔を覗いてくる風丸。

「不動…?」

「……ち」

俺は舌打ちをして風丸の手を払った。

「……なんで俺に話しかけてくんだ?」

「え?」

風丸は不思議そうに目を見開いた。

「俺なんかほっとけばいいだろ」

すると風丸はくすりと笑う。

「ほっとけないんだよ お前が」

「は?」

驚きで声がでかくなる。

風丸はまた肩に手を置いた。今度は置いたというより両肩を掴んだに等しい。

「な んだよ…」

「俺 お前が好きだ」

「な……」

また顔が真っ赤になるのが自分でわかる。さっきまではなんとか見られるまいと俯いたりしたが今回は無理だった。

「顔 真っ赤……」

「う うるせぇ!!離せ!!この女顔!!」

とでっかい声で言ってやると風丸は怯むどころか我が子をみるよに笑った。

「女顔はひどいぞ 不動」

「お 女顔じゃねぇか……お前は」

「はいはい」

そう言ってやつは俺から手を離した。

「……不動」

また呼ばれて顔をあげる。

「俺 絶対 お前に好きって言わせてみせるから」






















っとそうくない
(……ち 好きなんて絶対いわねぇ)










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風不wまさかの
でも私はありだと思っている
カップリングです

バナナシュート繋がりでもありますよね




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