そいつに久しぶりに会ったのはアジア予選の時。

「また会ったな 吹雪士郎」

そう言ってやると彼は試合中に怪我した足を引きずりながら振り向き微笑んだ。

「やぁ えっと……ガゼル君」

「私は涼野風介 今はガゼルではないさ」

「あ じゃあ涼野君」

そういいながらえへへと笑っている。

つい最近までエイリア学園マスターランクチームダイヤモンドダストのキャプテンとして彼はもちろん円堂守とも熾烈な戦いをしてきた。

そして今日もまた再チャレンジとしてこいつらと戦った。

(勝てると思ったんだが……)

やはり円堂守には勝てなかった。

なにより悔しいのはセカンドランクのレーゼこと緑川リュウジに負けたことだったりするがそれはあえて気にしないことにする。

(やつも成長したということか)

「涼野君?」

はっとなる。なにやら自分はぼーっとしていたらしい。吹雪が心配そうにこちらを伺っている。

「なんでもない 気にするな」

「本当?」

「そんなことより 足は平気か?」

と私は話を逸らす。

吹雪は「大丈夫だよ」と言った。

「でも多分 世界には行けないかな」

「……そうか」

自分達の技で吹雪は怪我をした。

だがそれは仕方のないことだ。

だけど

「すまなかった」

「え?」

私はそれを口にした。

「なんで謝るの?」

「だって私達のせいでお前は世界にいけなくなってしまった……それは偽りのない事実だろう?」

「……」

吹雪は私をじっとみつめる。

「僕 君に謝ってほしくなんかないな」

「?」

私は首を傾げる。

吹雪はふわっと笑った。

「君はやるべきことをしたんだと思うよ」

「し しかし、…」

「僕ね こういうのもいいなって思うよ」

「は は?」

吹雪はまたふわっと笑う。

「怪我で仕方なく離脱して 大事な時に戻ってくる なんか!かっこいいでしょ?」

私は呆れた。

まぁ おそらく気を使ってくれているんだろうけれど。

私はやはり彼に憧れる。

「なら 世界に行くのか」

「うん 必ずね キャプテン達と一緒に世界で戦いたいから」

「そうか」

「うん…」

私達の会話はそこで途切れる。

2人で押し黙ってしまった。

「涼野君は?」

と吹雪からそんな沈黙を破った。

「とりあえずお前達を応援する」

「そっか ありがとう」

吹雪はまたふわっと笑う。

(……強い奴だ)

私は負けない。

「また 試合しよう」

「うん もちろん」

「その時は今度こそ私達が勝つ」






















またその日まで
(もちろん 僕だって負けないよ)










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ガゼル爽やかバージョン←
もっと凍てつく闇なはずですね
今度は気おつけよう




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