イタリアエリアを歩く。イタリアと変わらない街並みに少し驚く。

(よくできてるな……)

そう感心する。

ある路地裏に入る。

ビオレテ達とサッカーした場所もこんな場所だった。

(懐かしいな……)

目を閉じてみる。

あの頃の自分達のサッカーが蘇る。
みんなの笑う声。みんなの自分を呼ぶ声。

「デモーニオ……か?」

ふと後ろから声がして振り向く。

そこにはつい最近試合をして自分達の本当のサッカーを教えてくれた鬼道が立っていた。

俺はもうマントもゴーグルもとり髪を下ろしている。鬼道は「ひ 人違いか?」と呟いた。

「いや デモーニオだ あってるよ」

すると彼は「そうか 良かった」と微笑みながら言う。

「鬼道はどうしてここに?」

「ああ うちのキャプテンを探しにな」

キャプテン……あのバンダナをした奴か。どうせ フィディオのところだと鬼道は予想したのだろう。

まぁ おそらく当たっている。

「デモーニオは何をしてるんだ?」

「……ここ 似てるんだ」

「…?」

「昔 仲間達とサッカーをした場所に」

鬼道は少し下を向く。

ゴーグルで目が隠れていてよくわからないがきっと切なそうな顔をしてるんだろう。

「あの頃は街の中だろうとサッカーしてたな……イタリアに帰ったらまたしたいさ」

「……い イタリアへ帰るのか?!」

「ぇ……?」

鬼道は声を荒げた。

「ぃ いや まだ帰らないさ とりあえずFFIが終わるまではいるつもりだ」

「そ そうか……」

彼は安心したようにまた微笑む。

(こいつ……俺に帰って欲しくないのか?)

それとも……

「それより…もう目は大丈夫なのか?」

鬼道は心配そうに呟いた。

「あぁ……大丈夫だ ほら」

試しに鬼道に目がはっきり見えるぐらい近づく。そしてゴーグルから透けて鬼道の目が見えた。

「な……ぁ」

「お前の目は赤いんだな」

鬼道は頬を染める。そしてふいっと横を向いた。

「何で目をそらすんだ?」

「べ……別に」

「俺をよく見ろ」

無理やり鬼道の両頬をがしっとつかみ自分へと向かせる。

「で……でも……ぁ」

「顔 赤い」

頬に触れれば鬼道はびくっと反応した。

俺はそんな鬼道の反応が面白くて彼を壁まで追い詰めた。

「な 何を……」

「別に?」

くすっと笑ってやるとまた頬をさらに赤く染めた。

(こいつが……ミスターKの作品だった奴)

つい最近まではこいつを目指してバカみたいに頑張っていた。

そしてその努力もこいつにあっけなく壊された。だけど……

(今はこいつが好きな気がする)

俺達を本当に進むべき道に導いてくれたのはこいつだ。

ミスターKの作品なんかじゃない…

この 鬼道 なんだ。

「で デモーニオ……?」

「好きだ 鬼道」

ふいに出た言葉に鬼道は真っ赤になってしまった。

このゴーグルをとると彼はどんな顔で……どんな目で俺を見つめるのか。

ゆっくりとゴーグルを外す。

(綺麗な……色)

数秒見とれてしまう。

「……す 好きだ だと?」

鬼道はどうしていいかわからないらしい。おどおどしている。

「好きだ」

今度は耳元で囁いてやる。

するとまたびくっとなった。

「や……やめろ」

鬼道は耳を手で塞いだ。

(可愛い……)

あまりの可愛いさに我慢出来なくなり鬼道の唇を奪う。

当然 鬼道はまたびくっとして「んー…んん!」と言っている。

舌を絡ませて深くより深いキスをする。

「んぅ……ぁ」

鬼道の息が荒い。

「大丈夫か?」

「い いきなり……するな」

「いきなりじゃなきゃいいのか?」

すると鬼道はにこっと笑う。

「お前になら……な」

俺が今度はふいっとよそを向く。
鬼道が「どうした?」と言ってきたがお構いなしだ。

顔が熱い。






















その笑顔反則
(………本気になりそうだ…)










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企画 似たもの同士様 に提出させていただいたものです

こ こんな感じでいいのか…
凄い不安ですが許してください←ぇ

デモ鬼っていいですね

これからもデモ鬼を支援します!

ここまで読んでいただき
ありがとうございます

そして
素敵な企画
ありがとうございました




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テーマ「人外ファンタジー」
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