※10年後設定










待ち合わせは雷門中。久しぶりに昔のみんなに会うと思うとわくわくして気持ちよい。

(早く会いたいな)

キャプテン……染岡君……
豪炎寺君や鬼道君……
みんなこの10年間なにをしてきて
今はどうしているのだろう

(キャプテンはテレビでみたなぁ)

キャプテン……かつ円堂はこの前どっかのテレビで特集されていた気がする。

(僕はまだまだだな……)

自分もまだサッカーをやっている。だけどキャプテンのような凄い特集をされたりはしない。

自分もいつかは……そんな風に思う。

そんなことよりも……

(彼は元気にしてるかな……)

僕は君の速さに憧れた。走ってる姿も綺麗でどんな時も仲間を大事に思う。

「風丸君……」

今日は君に会いにきたんだよ。

あれから10年もたったのに何も変わらない君へのこの想い。

(バカみたい……)

この想いのせいでまともに女の子の相手も出来なかった。この気持ちを言ってしまおうと何万回思って挫折しただろうか。

言ってしまったら君の笑顔が見れなくなるんじゃないかってずっと思っている。

そんな不安が僕を君から遠ざける。

(いつからこんなに君が好きになったのかな……)

踏み出していた足を止めて深呼吸をする。
(今日こそ 君に……)






「よっ」

待ち合わせは9時半。俺は1ヶ月振りに円堂に会った。そのわけは今日は昔の仲間に久しぶりに会う日で円堂と一緒に行こうということにしたからだ。

「久しぶりだな 円堂」

「風丸……また髪きったのかよ」

円堂は目を見開いた。まぁそりゃそうだろう。つい先日 ずっとポニーテールにしていた髪をきった。

そしてまた

「あぁ フられたんだよ……彼女に」

「え…つい最近付き合いはじめたって言ってた彼女にか?」

頷く。もう何回目なんだ。この10年の間で俺は何回同じ理由でフられてるんだ。

「また……あれか?」

「まぁな」

あれ……それは

『また他の子のこと考えてたでしょ』

確かに……俺は彼女と重なるときや一緒に歩いている時もいつもあいつのことしか考えていない。

(吹雪……)

横にいるのが吹雪だったら。今 重なりあっているのがお前だったら……

俺はこの10年 お前のことしか考えていない。おかげでこの通り彼女にフられてばかりだ。

「風丸さ……よくわかんねぇけど その子に告白すればいいんじゃないか?」

「は?」

告白……何回しようと考えて手紙を書こうとしたかわからない。メールもしようと考えたが手が震えた。

だって お前も俺も一応 男。お前なら彼女なんてたくさんできるだろう。だから俺がお前に告白したところでプラスになることなんかない。

逆にマイナスになる。

お前は俺を傷つけないように優しく笑ってくれるだろう。でもその後にお前はきっと俺をさける。

そんなのは嫌なんだ。

ならいっそ言わないでお前と笑っていたほうが良い。

「告白すればきっと今の関係が崩れる……いいんだ…あいつが笑ってくれるだけで」

「でも お前それじゃあ いつになっても変わらないじゃん」

「……だけど」

「怖がるなよ」

円堂が立ち止まる。

「気持ちだけでも伝えれば少しは軽くなるぞ」

「……だから もう一緒に笑えなく

「ならない なるわけない」

「円堂……」

今日の円堂は少したくましい。いや ずっと昔からこいつはたくましいか。

「もしかしたら 付き合えるかもしれないじゃないか」

「……そうかな」

「そうさ 俺を信じてみろって!」

円堂が昔と変わらない笑顔を俺にむける。こいつの言葉で俺……いや俺達は何回助けられただろうか。

「……わかったよ 円堂」

やってやる。

(今日こそ…お前に)






「久しぶり」

話かけてきたのはあいつから。

「ふ 吹雪……背伸びたな」

「風丸君も伸びたね あ でも髪の毛はすっごい短くなったね」

ふわりと吹雪が笑った。
身長が伸びたとは言えども俺との身長差は全く変わらない。吹雪は「もうポニーテールにはしないの?」と言った。

「あぁ まぁな」

「ふーん」

吹雪は少し残念そうに足元を見つめた。

「僕は君の長い髪 好きだったよ」

「……え」

俺は自分の短くなった髪を触る。

吹雪は頬を染めて続けた。

「君が走ってる時とか振り向いた時に揺れる長い髪……好きだった」

俺はその言葉をきいて顔が熱くなる。

俺はその言葉をきいて顔が熱くなる。

「よ…よく見てたんだな 俺のこと」

「へ?」

吹雪も顔を真っ赤にしてしまった。
俺は自分がなんて恥ずかしいことを言ってしまったんだと少し後悔する。

(吹雪は俺のことなんか見てるわけないだろ……)

「ふ 吹雪は今 何してるんだ?」

「え?あ えっとね 北海道のサッカーチームに入ってるよ…有名じゃないけどね……風丸君は?」

「俺は陸上をやってるよ……サッカーは高校までやってたかな」

「そうなんだ」と呟いて吹雪はうつむいた。

「ねぇ 久しぶりだし 後でサッカーやらない?」

「サッカー?」

吹雪は頷く。

「君とサッカーがしたいんだ」

俺はまた頬を赤らめる。「あ…後でな」と言って空を見上げる。

「ねぇ……風丸君」

「な なんだ」

吹雪は少し頬を赤らめて俺の髪に触った。

「彼女いるの?」

「今はいない」

首を傾げて「本当に?」と呟いた。

「あぁ…吹雪は?」

「いないよ みんな断るから」

「なんで?」

「10年前から好きなその人しか考えられなくて女の子と付き合えないんだ」

10年前……その言葉にびっくりする。

(こいつも……?)

マネージャーか?と思う。

だけどこいつがマネージャーと仲良くしているところを俺は見たことがない。

(一目惚れか……)

胸が苦しくなる。聞きたくない。

「誰だと思う?」

「……音無?」

木野や雷門は円堂のことが好きだ。もちろん久遠もおそらく。そうなると音無しかいない。それは吹雪もわかってるはず。

「はずれだよ」

吹雪はくすくす笑っている。未だに頬を染めて俺の髪をいじっている。

「じゃあ……誰だよ」

「じゃあ ヒントね?」

ヒント?

早く言えばいいのに。

「その人はまさに男の子って感じでね?いつも髪を結んでいたの」

「……?」

一瞬 塔子かと思った。でも髪を結んでいるで違う。

「いつも僕に優しくてね よくお話した」

「?」

俺は首を傾げる。

「走っているのを見るのが好きだった 髪が揺れるのが好きだった」

「……ふ 吹雪」

「なのに君は髪を切っちゃうんだもん 残念だなぁ」

「吹雪……」

「振り向いてくれたら嬉しくて胸がドキドキした」

「吹雪!!」

ぎゅうと君を抱きしめる。

「風丸…く」

「俺……だろ?」

吹雪をゆっくり離し まっすぐみつめる。

「俺も同じだ」

はっきり言えば目の前のお前はふわりといつもと同じように笑う。

「僕も」

そしてゆっくり優しいキスをする。

これからはずっと一緒に。





















めた
(なぁんだ 君もずっと……)










**********

企画 ぼくら+10様 に提出させていただいたものです。

いつも企画様に提出しているものは
意味わからない……(^p^)

告白のしかた しくじりました。
すいません すいませんm(_ _)m←

えとここまで読んでいただき
ありがとうございました。

そして
風丸 吹雪 お幸せに←

素敵な企画 ありがとうございました




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