「後……後少しだったのに……」

君は息を切らしてボールを睨む。汗が凄い君に僕はタオルを渡す。

「あぁ サンキュー 吹雪」

汗を拭く君は「今日も暑いな」と言ってきた。

「うん まぁ しょうがないよ 良い天気だしね」

そういうと君は空を眺める。

「俺の速さじゃ……お前のエターナルブリザードには追いつかないのかもな…」

青い綺麗な髪が風になびいている。

「そんなことないよ 風丸君 は追いついてるじゃない」

「だが……決まらない」

君は悔しそうに地面を蹴った。

「もう 試合まで日がないのに……」

「そうかな まだあるよ 試合の日までずいぶん」

「……お前はなんで焦らないんだ」

君はその綺麗な瞳で僕をみつめた。

「焦ったってしょうがないよ それより 少し休も?風丸君 汗凄いよ」

「……そうだな」

グランドの隅のベンチに君は向かう。僕はボールを拾いにいく。

ドカンとベンチの方で音がしたのでばっと振り向く。

「……くそ」

ただ風丸君がベンチを蹴っただけだったみたいだ。こんなに荒れている彼を見るのは初めてだ。

荒く座りため息をつく君。

(なんでそんなに焦ってるんだろ……)

確かに君と必殺技ができると思うと凄い嬉しい。でも別に次の試合の時に出来上がらなくたっていいのだ。

僕はボールを持って君の隣に座る。

君は髪で隠れててよくわからないけど泣いているように見えた。

「か……風丸…く…ん?」

「なんだ…」

すぐに返事が返ってきたことに安心する。どうやら泣いてはいないようだった。

「別に 次の試合までに完成しなくても大丈夫だよ?だからゆっくり練習しよ?」

「……」

君は黙り込む。

「体壊しちゃったら……せっかくの練習も無駄になっちゃうしね」

「……」

「だから 別に

「吹雪」

いきなり君が僕を呼んだ。

風丸君は僕の方を向くとそっと僕の頬に手を添えた。

「……風丸…君?」

「お前は俺が嫌いなのか」

「え?」

いきなりの発言に目を見開く。

(どういうこと……?)

「お前はなんでそんなに焦らないんだ」

「さっきもいったよね 焦ってもしょうがない…って」

「なんでしょうがないんだ?」

「だって 風丸君……こんなに無理したら体が壊れちゃうよ?」

僕はさっき彼が擦りむいた頬をなぞる。君はちょっと顔をしかめた。

「それはつまり……俺はお前とは違うって言いたいのか?」

「え?」

「お前は速いし強い それに離脱する前よりもの凄い強くなってる 俺なんかよりずっと……」

「風丸君…」

「俺は……一度 お前達を裏切った」

そういう彼は俯く。

裏切った……それはおそらくダークエンペラーズの時だろう。

まだ気にしているの?

「あの時……俺は自分の力が信じられなくて……だから今が怖いんだ また信じられなくて……それで

「君は強いよ 風丸君」

僕は彼を抱きしめる。その衝撃でボールが落ちる。彼は「ふ…吹雪?」と呟いた。

「僕は君に憧れてるよ 風丸君は僕の持っていないもの……全部持ってるよ」

君は僕より絶対速いよ
君は僕より凄い技…たくさん持ってる
君は僕よりずっとみんなに指示できるよ
君は僕よりみんなのことよくみてる
君は僕より……

言い切れないほど君はたくさん持ってるのに自分で気づけないの……?

「少なくとも 僕は君を信じてるよ」

君を離すとびっくりしたように頬を染めた。

「よく……そんなこと言えるな」

「えへへ でも本当だよ」

君はいつしか笑顔になっていた。

「俺もお前を信じてるよ」

「うん」

僕にも君と同じ時があった。

アツヤも自分も信じられない時が……

だから君の気持ち わかるよ。

「吹雪 ありがとな」

すると君は立ち上がって僕にあったかいキスをする。

「……ん ふぁ か 風丸……君?」

「抱きしめだろ?お返しだ」

僕は顔が真っ赤になってしまった。すると君は「可愛いな」と僕の頭を撫でる。

「よし もう焦らない」

「うん!」

風丸君はさっきとはずいぶん違う顔になった。うん いつもの君だ。

「だけど 吹雪 もうちょっと付き合ってくれないか?」

「うん もちろん!」

僕は立ち上がる。ボールを拾い君に渡す。

「今度こそ できるといいよね」

「あぁ できるさ絶対に」























よりも信じてあ
(お前が俺を信じてくれるかぎりな…)









**********

ザ.ハリケーンを練習する2人が
かきたかっただけです……

いや今の風丸君は自信に満ち溢れて
ますからこんなことないかな……
ないか←

なんだか風吹風みたいになって
しまった……

ま まぁ どちらにせよ
2人はおいしいです もぐもぐ




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