テレビの画面見る。今日も君は輝いていていつもと変わらないプレーで……。

『イナズマジャパン!!勝ちました!!』

テレビの中継ではっとなる。そしてその言葉に安心する。

(やったね…染岡君)

画面に映る彼を見るとみんなともの凄く喜んで嬉しそうだ。

(いいなぁ……)

もし 僕が君といたら一緒に喜んであげられるのに……。

怪我をした足に触る。

(この足のせいで……)

君が帰ってきたのに 逆に僕は離脱した。神様はどうして僕と彼を引き離したの?

「染……岡く…」

その時 いきなり自分の携帯が鳴り響く。

「び び びっくりしたぁ…」

テレビの画面を見ると今はCMだ。

携帯を開き「誰かな」と呟きみると…

「え…?」

そこには“染岡君”と示されていた。

いきなりの電話に慌てて手が震える。

(ででなきゃ……)

携帯のボタンを押し耳にあてる。

『よぉ 元気にしてっか…?』

最初に聞こえてきたのは君の声。

「ぅ ん……うん 元気だよ」

声が震えた。手も震えた。

「染岡君……試合 勝ったね」

『あぁ お前が帰ってくるまで負けるわけにはいかねぇしな!』

「染岡く…ん」

『んだよ?戻ってくるだろ?』

「もちろんだよ……絶対に君と……サッカーする……」

僕はいつの間にか泣いていた。ボロボロ涙が止まらなくて焦る。染岡君に会うまで泣かないって……決めたのに。

『そしたら 一緒に 風になろうぜ』

胸がドキドキする。僕は「うん…うん」と言い続ける。君を本当に好きになった時も君が僕を励ましてくれた時も…僕達はその言葉で立ち上がったよね…。

「染…岡く……ん?」

『おう』

「風になろう……なろうね…」

『……ぁあ』

「絶対……風に……ぅう…」

僕は何度も呟く。その度に君は頷く。
ああ……もう泣かないって決めたのにな……もぅ……涙が止まらなくて…

君に会いたい。

君に抱きつきたい。

君とキスしたい。

電話でしか繋がれないなんて嫌だ。
なんで……こんなに切なくなるの……
君とせっかく電話してるのに…
そんな自分が悔しい。

足なんか引きずってでも君に会いたい。

「会いたいよぉ…染岡……君」

『……俺もお前に会いたい 吹雪』

「会いたい……染岡君……」

『あぁ…俺だって 会いてぇよ』

染岡君……会いたい…よ。






『会いたいよぉ……染岡……君』

吹雪が泣きながら呟いてきた言葉は自分を切なくさせた。

俺は確かに世界に行きたくて1人で特訓してきた。だけど 必殺技を考えて考えて……頭が痛くなった時 必殺技の練習を1人で練習してる時も常に吹雪のことを考えていた。

世界で一緒に……あいつと2人でFWに立ってワイバーンブリザードを決めて……新しいあいつとの必殺技を考えて……

涙は出ない。だけど

(ち たく…あいつのせいで息苦しい)

吹雪は絶対帰ってくる。

また会える。

『染岡……君』

「なんだよ」

『僕……絶対に追いつくから』

「ああ 待ってる」

『それまで……頼んだよ』

「ふ 任せろ!お前が帰ってくるまでずっと待っててやる」

吹雪はまだ泣いているんだろうか。

『じゃあね……電話 ありがとう』

「また 電話してやるよ」

『うん……待ってるよ バイバイ』

「ああ」

俺は電話を切る。

「染岡!!こんなところにいたのか?」

円堂が駆け寄る。俺の手に持っている携帯をみて「吹雪?」と言ってきた。

「ああ まぁな」

「吹雪 早く帰ってくるといいよな」

円堂が空を見上げる。

「帰ってくるぜ あいつ もうじきな」

「本当か?!」

俺は頷く。円堂は「よし!!なら吹雪が帰ってくるまで特訓だ!!」と走り去っていく。

(俺は信じるぜ お前をな)

拳を空に向かって突き出す。
いつかお前とやったように。

「風になろうぜ 吹雪」





















電話じゃ
(染岡君…絶対に待っててね)










**********

初の染吹に挑戦したけど……
うん?染岡……さん?
駄目だもっと勉強しなきゃ

結論から言うと
2人は風になればそれでいい





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