※基緑で入れ替わり有










「ふわぁあ」

大きな欠伸をする。なんだか頭が少し軽い。今日は冴えてるかも…とかちょっと今日1日に期待しながら顔を洗いに水道のところまでゆっくり歩く。

「あ 風丸 おはよー」

風丸とすれ違ったので声をかける。すると風丸はなぜか「え?」と言って不思議そうな顔をしてきた。

「あ あぁ おはよう 元気だな」

「あったり前じゃん!今日も壁山達より早く行って先におかわりするんだからっ」

「え…?お前が?」

風丸はびっくりしたような顔をすると「それは緑川だろ」とくすりと笑ってきた。

「え 何言ってるの 風丸」

「何って……それは緑川の話だろ?ってことさ」

何言ってるの風丸君?僕が緑川だよ。緑川リュウジだよ?!

「え うん そうだけど」

「ま ほどほどにしとけよ」


風丸はにこにこしながら立ち去って行く。一体 風丸はどうしたんだろうか。おかしくなってしまったのだろうか……風丸が少し心配になる。

(うーん…あ 壁山達に先越される!!)

急いで水道の蛇口をひねる。バシャバシャと水を顔にかけると気持ち良かった。首にかけてあったタオルをとり顔を拭き腕にしてあるゴムで……

「ん…あ あれ ゴムな ない」

腕にゴムがない。これじゃあ髪が結べな……

「あ あれ……なんか そういえば……首がスースーするような……」

後ろに手をやり髪を探す。

「な なな…ない!!」

抜けた?!ま まさか そんなはず……

「っていうかなんか俺 肌ちょっと白いような……」

肌が白い。いつから自分は色白になったんだ……?いや ちょっと待て この肌の色 見覚えがある。

「ま まさか…」

すると吹雪が水道にやってきた。
そしてまさにこいつが今までの不思議な疑問をぶち壊した。

「あれ?珍しいね…“ヒロト君”おはよう」

「……」

そして鳥肌がたちはじめてようやく鏡を見た。赤い髪に緑の瞳 まさしく“基山ヒロト”だった。

「いやぁああああ!!なんでなんで!!」

「え えぇ…ど どうしたの?」

頭を抱えてしゃがみ込む。

(だから風丸も不思議そうにしたんだ…。そりゃそうだよ…ヒロトが「壁山達より先いかなきゃ」なんて言わないよ……。)

やっと風丸の言葉を理解する。

(でも……どうして?)

昨日はヒロトと何も(いやいつもしてないから)してない。(一体どうして心が入れ替わってるんだろ……)

「あ 緑川君 おはよう」

吹雪の言葉にはっとなる。俺がヒロトなら自分には

「? やぁ 吹雪君 おはよう」

「え?」

案の定 彼はまだ気づいていないようだ。(っていうか今名前呼ばれたのにスルーしたよね…)吹雪はそんな俺(つかヒロト)を見て驚いている。そりゃそうだよ。俺が「吹雪君」だなんて言わないよ。

ヒロトはまだ寝ぼけているのかなかなか俺のように鏡を見ない。

(早くみろ…)

そんなヒロトはご丁寧に鏡より先に俺に気づいた。

「ん?………んん?!」

ヒロトは俺を見て目を見開くとまず触ったのは髪の毛だった。

「こ この…ふわふわ感 もしかして 緑川のっ!?」

鏡をばっと見る。

「ふわふわ……緑川の髪の毛!?」

「え み 緑川君…?」

おいおい 吹雪がどん引きなんですけど。
「緑川?うるさいよ?」

ちょっとヒロトっぽく目の前の絶賛俺の体のあちらこちらお触り中のヒロトに言う。

「え…あ み 緑か っんむ」

吹雪の目の前でこんなことばれたらまずい。とりあえずヒロトの口を塞ぐと「吹雪君 先行ってて 俺達用があるから」とヒロトっぽく言ってライトニングアクセルで退散する。吹雪は唖然として「う うん…わかったよ キャプテン達に伝えとくね」と笑って答えてくれた。






「い いきなり なにさ 緑川」

目の前のヒロト(まぁ顔は俺)に言われる。

「何って…なんで入れ替わってるのさ!!」

「わからないよ…俺だってさっき気づいたんだから」

ヒロトにも心当たりがないようだ。ため息をつく。いったいいつ戻るんだろう。

「ふふ 困ってる緑川 可愛いね」

「それ自分可愛いって言ってること 自覚してるの?」

ヒロトは「それは別だよ」なんて都合の良いことを言っている。

「それにしても……自分と会話してるみたいでなんか変な感じ」

「それは俺も同じ!!」

するとヒロトは俺の(いやヒロト的には自分)頬に手をかける。顔が真っ赤になったのがすぐにわかった。すると目の前のヒロト(つまり自分)はくすりと笑った。

「体は違っても……緑川は緑川だね」

「う うるさい!!ひ ヒロトこそ自分に触ってるんだよ?!」

「でも中身は緑川でしょ?俺は別に気にしないよ」

「俺は気にするよ……自分に触られてるんだよ……?」

「いいじゃない 自分に攻められる経験なんかめったにないよ」

「……そ そうだけど」

ヒロトは真っ直ぐ俺を見た。

「どんな緑川でも俺はリュウジが好きだよ」

いきなり名前を呼ばれてさらに赤くなる。

「リュウジは?」

「お 俺……は」

ヒロトになったのに胸はドキドキするし顔は赤くなるしあんまりいつもと変わらない。

(ヒロトもこんな風になったりするのかな……俺といる時……こんな風にドキドキしてるのかな…)

胸に手を当てる。ヒロトの心臓の音が俺の体に響く。

「ひ ヒロトが…好き」


ヒロトはふっと笑って俺にキスをしてきた。いつもと変わらないあのあったかいキス。

「リュウジ…自分に攻められてるよ?」

「ふわ…そ そんな…こと ぁぅ」

またキスをされてはいつもと変わらない君の言葉。

「愛してるよ リュウジ」

何回も今まで聞いてきた言葉だけど今日はなんだか違って聞こえた君の言葉。でもね…やっぱり変わらないよ。そのあったかさは。たとえ体が入れ替わっても。

「俺だって……ヒロトのこと……ぁいしてるもん……」

だから俺も言ってあげる。

愛してるって言ってあげる。





















は変わら
(ねぇ…いつ戻るかな……俺達)
(大丈夫さ 後、緑川が“愛してる”って1万回言ってくれれば戻るよ?)
(嫌だぁあああ!!)










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企画 僕は君で君は僕で。様 に提出したものです

こんな感じで許してください
なんか……全くよくわからないものに
だけどこれが自分の限界…うぷ

素敵な企画
ありがとうございました




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