「あれ?緑川じゃないか?」

「え?」

振り向くとそこには風丸の姿。珍しく彼は私服姿だ。

今日は午後から練習もなくなにをしようかと思っていたら円堂が「稲妻町でもまわってみたらどうだ?」と提案してくれたのでまわっているところだ。

本当のところをいうとヒロトと一緒にまわろうと思っていたのに「俺 これから吹雪君達と練習するけど…緑川もどう?」なんてヒロトが先に誘ってくるもんだからどうしようか迷った。だけどぶっちゃけこの頃無理をし過ぎているので休めるなら休みたい。「今日はやめとく…疲れたし」と言ってヒロトの誘いを断った。

で 今 合宿所に1人でいるのもなんだし(まぁ 今も1人だけど)円堂に言われた通りにしているというわけだが…

「こんなところで会うなんて奇遇だな」

「え そう…?」

只今 風丸と遭遇中。
風丸もあのヒロトの言った“吹雪君達”に入っているかと思っていたので驚いた。
風丸は稲妻町に住んでいるわけだし…会うのは違和感はない。だけど…

「風丸 私服…」

「ん?あ あぁ 家に帰って着替えてきたんだ」

自分が想像していた彼の私服とは全く違う服装だった。しかもわざわざ家に帰って着替えてきたらしい…。

「これからどっか行くの?」

「いや 本当は家に帰ってのんびりしようと思ったんだけど……久しぶりに私服で稲妻町を歩きたいなと思ってな」

驚いた…こんなところに自分と同じ考えの人がいるとは……。風丸は「緑川は?」と返してきた。

「俺も同じ 陽の照っているうちに干し草を作れ……か」

「ん?」

「風丸!!一緒にまわろう!!いやお願いします…!!」

恥ずかしくて風丸には絶対言えないが稲妻町とはいえ自分の知らない町。普通に道に迷っていた。同じところを何度も周り…諦めて雷門中に帰ろうともしたかやっぱり道がわからない……。
そんな時に風丸は現れたのだ。

「ああ もちろん 俺も緑川に用事がなかったら一緒にまわろうって言おうと思っていたしな」

風丸はにこにこしながら「どこ行く?」と言ってきた。

風丸は優しいな…と感動する。
本当に良かった。風丸と出会えて…

「どこでもいい♪」

「あ じゃあ商店街でも行くか?俺 すっごい緑川が喜びそうな喫茶店知ってるけど?」

風丸と俺は並んで歩く。
喫茶店…そういえばお腹減ったな

「行きたいっ!」

「じゃあ 決まりな」

俺と風丸は笑いあった。

「ついたぞ ここだ ここ」

風丸のいう喫茶店についたらしい。

「わぁ! おいしそ〜!!」

さっそくそこにはスイーツの見本がガラスを境にたくさん飾られていた。見本なので食べられないがいちごやバナナやチョコレートが乗っかったパフェや美味しそうなケーキやプリンなど女の子が喜びそうなキラキラしたスイーツがたくさんあった。

「ふぁあ か 風丸ぅう!!」

「ほーら やっぱり 喜んだ」

「はやくっはやく入ろう!!」

風丸はにこにこしながら俺の頭を撫でた。

「?」

「さて 入るか」

風丸がお店のドアを開ける。中から甘い匂いが風のように俺達を包んだ。

「いらっしゃいませー」

風丸が「2人です」と言って席に案内される。俺はすぐに椅子に座るとメニューをバッと開いた。

「ふわぁああ な 何食べよぅ」

「落ち着けよ 緑川 全く 」

「うーんうーん…このチョコレートのパフェといちごのパフェ…どっちにしよう」

「……すいません」

人が懸命に考えているのに風丸は勝手に店の人を呼んだ。俺は風丸に「まだ決まってないよ!」と言ったが彼はくすりと笑うだけだった。

「この チョコレートパフェといちごパフェを1つずつください」

「え」

思わず声が出た。風丸はまたくすりと笑うと店の人がいった後に俺にこう言った。

「俺が頼めばどっちも食べられるだろ?」

「か か 風丸ぅうう!!」

今 俺達の間に机がなかったら抱きついてるよ風丸。本当にありがとう。マジで感謝!!






「お おいしぃい!!」

「それは良かった」

真ん中にいちごパフェとチョコレートパフェを並べて2人でパフェを食べる。

「い 稲妻町にはこんなおいしいものがあるんだね!感動しちゃうよ!」

「ふ 緑川は大袈裟だな これぐらいなら作れたりできそうじゃないか?」

その時 ふと子供の頃に ヒロト達と作ったケーキを思いだした。あの時は姉さんが教えてくれたのにうまく出来なくて本当に悲しかった。しかもケーキのクリームの味は薄いし風介は晴矢と喧嘩するしで大騒ぎだったな……

それからあんまりお菓子を作らなくなった……けど

(パフェってすぐできるかも)

機会があったら姉さんにきいてみよう。
それで…ヒロト達と……

いや やめよう 結果は目に見えてる。

「できないよ パフェとかケーキなんか」
「え?ケーキは聞いてないが……でもこのパフェだって作ってる人がるんだからできるだろ?」

「そうかなぁ」

アイスを頬張る。冷たくて気持ちい。

「じゃあ 今度 研究しよう」

「お 研究か そしたら一緒に作るか?」

2人で頷きあう。

「そしたら ヒロトに食べてもらおうかな」

「ヒロト?」

しまった。ついヒロトの名前をあげてしまった。いつもヒロトの名前をあげてしまう自分が嫌になる。ヒロトにも申しわけない。

「あ…いや 誰でも いいんだけど…」

「ふーん じゃあ 俺もヒロトに食べさせようかな」

風丸はパフェの下のほうに入っているクリームを頬張った。

「じゃあ ヒロトがうまいって言ったほうが今度 パフェ奢るとかどう?」

「え なんか対決する話になってるけど……」

「もしも さ」

「うーん…」

まぁ それもいいかもなと思う。

「そしたらまたここに来れるぜ」

「ほ 本当にっ?!」

また来れると聞いてちょっと胸がときめいた。いっそここのメニューを全て食べたい気分だ。

「ヒロトも呼んで3人で食べようか」

「うん!!」

ヒロトにもぜひ教えてあげようと思っていたので嬉しい。きっとヒロトも喜ぶ。

「本当にヒロトが好きなんだな」

風丸がいちごパフェのほうの最後の一口を頬張り呟く。

「今 なんと?」

「ん?緑川は本当に基山が好きなんだなーって」

「? 風丸も好きだよ」

「いや 仲間とか友達とかじゃなくて……」

風丸はなにがいいたいんだろう。

「れ 恋愛的な…感じじゃないか?お前のヒロトに対する好きって」

「え え れ ま ま まっさかあ!!」

え 何言ってんの風丸。びっくりするじゃん。俺がヒロトに対しての好きはラブだっていうの?ちょっと冗談きついなぁ…

「な なんでそう思うの……」

「ん?だってそう見えるからさ 」

風丸はそう言うとチョコレートパフェに手を伸ばす。

ヒロトに対して俺は…?…そんなはず な ないよ……ヒロトはただ俺にとって家族で友達で仲間で……だから

でも なんでだろう……
ドキドキする…

何で?























(これから…どうやってヒロトと接しよう……か 風丸のバカぁああ)










**********
ちょっと意味わからない…
最初は風緑を目指してたのに
いつのまにか基緑+風丸
になっちゃった……
ヒロトでてきてないのに
ついでこの話はあの2人が私服で
でる前の設定です

追記
わぁ…どうしよう
時々 ひらめいたり
したら
文章が消えたり現れたり
するかもです……




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