「お前はいつからここに?」

肌も白い。髪も白い彼。先日、究極のチームを彼と一緒に作れと言われた。正直、僕等はお互いのことなんか何も知らない。まぁ、このまま知らないままでもいいか……と思っていたらあっちから僕に質問してきた。僕は目をぱちくりさせる。

「そういう白竜は?」

「今は俺が質問している」

「うーん…、生まれた時からずっと…かなぁ」

白竜は「冗談はやめろ」とくすっと笑う。冗談じゃないんだけどな、

「俺はつい最近だ、シードになり究極になる為にここに来たんだ」

真っ直ぐ空を見る彼をじっと見つめる。ああ、空がどんよりしていなければとても綺麗な光景だろう。

「シュウ、お前には何か目標はあるのか?」

「うん」

白竜はふいに僕をじっと見た。

彼の目に吸い込まれそうだ。

「強くなりたい」

「強く……」

「うん、」

「なら、共に頑張ろう…ずっと、共に」

目を細める。僕は白竜に頷くことは出来なかった。それは、まだ、言えない。





















寂しそうに微笑む
(いつも心は矛盾したまま)





















「ごめん、白竜」

シュウはそういうと手を合わせた。しかし、本当に申し訳ないと思っているのかは分からない。

「……どうした?」

「だって遅れてきちゃったからさ」

「別にちゃんときたのだから良いと思うが……」

「……うん、そうだね」

シュウはにこにこする。俺は「寝坊か?」と聞くと彼は「寝坊じゃないよ」と言った。

「うーん、あ、カイ達と遊んでたんだ」

シュウはにこっと笑った。ああ、嘘だな、と思う。シュウは大半は嘘ばかり。最近では彼が生きているのかも疑わしい。

「今度からは気をつけてくれ」

「うん、ありがとう」

そしていつも通りに練習が始まる。






















でたらめな嘘つき
(不思議と嫌な気はしない)





















「白竜の髪は綺麗だね」

素直に褒める。合同練習後の休憩での話だ。白竜は目を見開くと少しだけ頬を赤らめて珍しく笑った。

「ありがとう……」

「淡色だよね、白竜の色って」

「シュウの髪も綺麗だ」

「……ありがとう」

お互いに髪を褒め合うなんて、僕達も仲良くなったなぁと実感する。

「シュウによく似合っている」

「白竜だって似合ってると思うよ」






















淡色がよく似合う
(君を、より儚く映す)





















すっかり仲良くなった俺達は互いの部屋を行き来する仲にまでなっていた。今日はシュウが来る日だ、と遠く昔に忘れた感情を思い出した。ウキウキ、ワクワク。

そんなことを考えていると「入るよ」とシュウの声。俺は「どうぞ」と彼を招き入れる。

「相変わらずきれーな部屋だね」

「この方が落ち着くだろう」

「落ち着くかな……」

シュウはにこっと笑うと俺に優しく抱きついた。最近の彼はスキンシップが好きらしい。最初こそ驚いたが今は馴れてしまった。シュウは俺の背中に顔を埋めながら「いいにおい」と呟いた。

「こっちの方が落ち着くよ」

俺は何も言えずに黙り込んだ。そんな俺にシュウはくすっと笑う。

「ん、?どうかした?」






















照れると黙りこむ
(顔色一つ変えないけれど)





















白竜に告白した。初めて出会った時から今までずっと一緒にいたせいか、神様の悪戯かは分からないけれど僕はどうやら白竜が相当好きらしく、表情こそ何も変えずに白竜に想いを告げたが本当はドキドキして堪まらなかった。目の前でキョトンとしている白竜はさっきからフリーズしている。瞬きをするのも忘れてしまったようで生きているのか心配になる。こんな彼は初めてみた。

「白竜…?」

はっとしたのか「すまない」と呟いた白竜は「で、何だ」と言い始めた。何?僕にもう一度言って欲しいのかな。

「だから、白竜が好きなんだって」

「……し、シュウ」

「ずっと白竜と一緒にいたいよ」

いつものように白竜に抱きつく。彼は「そう、だったのか」と言う。

彼を見つめる。

「キス、したい」

みるみるうちに真っ赤になる白竜。初めてみる彼の意外な一面。白竜はあたふたしていたがゆっくり頷いた。僕は白竜にちゅっと軽いキスをした。

「白竜……」

「………シュウ、」

白竜が俯く。なんだか子供みたいだ。そんな彼が可愛いくて彼の自慢の髪にまたキスをする。

「好き」






















うつ向いたら幼い
(強がりに隠れたもう一人)





















「水玉が好きなの?」

俺の部屋でキョロキョロしていたシュウがふと呟いた。俺は「まぁ、な」と言うとシュウはその柄のついたハンカチを見つめる。

「白竜、女の子みたいだね」

「な、」

彼はくすくす笑う。

「でも、そんな白竜が好き」






















水玉がお気に入り
(リズミカルに身につけて)





















「、な…何を!!」

シュウは「うるさいなぁ」と俺を押し倒した。いつものシュウではない。俺は何だか怖くなってしまって視界が歪む。

「ヤらせてよ……白竜」

「な…何、言って……」

「僕さ…今、めちゃくちゃイライラしてるんだ」

「シュ………シュウ…」

「だから、さ」

強引にキスをされた。物凄く乱暴なキス。気持ち良くなんかなかった。シュウがこんな荒っぽいキスをするなんて、

「僕には時間がない」






















後も先も考えない
(誰よりも今を愛している)





















「それでさー、カイったらひどいんだよ」

今日はどうやらあまりにハードな練習だったので白竜の体力が尽きたのかいつもだったら「それで?」とか「凄いな」とか言って僕の話に付き合ってくれていた彼はさっきから「うん」や「そうか」ばかり。無視されないだけありがたいがこれでは話していてもつまらない。

「白竜、」

「ああ」

「白竜……疲れたの?」

「ああ、」

彼は本当に疲れたようでフラフラだ。

「キス、したいなー」

「ああ、…」

僕はゆっくりキスをする。

(今なら、何でも……)






















相づち中心の会話
(僕は、君を聞きたい)





















シュウを探して森に来たのだが見当たらない。そういえばと彼が昔言っていたお気に入りの場所へ行く。するとやはりシュウはそこで居眠りをしていた。

「シュウ」

近寄り揺さぶるがシュウは起きる気配がない。すぅと小さな子供のような寝息をたてていた。俺は仕方ないのでシュウの隣に座る。

「風邪、引くぞ……」

頭を撫でるとふわっとしていて心地良い。シュウは起きない。俺はそっと顔を近づけた。

「……やぁ、白竜」

「え、あ、ああ…シュウ」

いきなり起きるのでびっくりする。

「んー!よく寝たなぁ」

伸びをするシュウを尻目に俺はくすっと笑った。

「本当によく寝てたな」

「まぁね、でも白竜が来た時にはもう起きてたけど」

ふわっと笑うシュウ。俺は真っ赤になって「な、なんで」と慌てるとシュウは企んだような笑みを浮かべる。

「白竜、続きしよっか」






















ふんわりとした髪
(そっと、風にあそばせて)


























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シュウ白詰め!!
だんだんいちゃいちゃ度が
上がっていきます(笑)





Thank you:ひよこ屋



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