「狩屋、考えてくれたか?」

また霧野先輩だ。もうここまでなると鬱陶しいを通り越して尊敬する。俺は「まだでーす」と言うと霧野先輩は残念そうに「そうか、考えてくれよ」とキャプテンと一緒に帰って行った。

(あんたはキャプテンの方がお似合いだっつーの)

昨日、霧野先輩に告白された。部活が終わってみんなが帰りだした時に先輩に呼ばれて、どうせまた怒られると思っていたら先輩は「好きだ」と言い出したのだ。俺はぶっと吹き出して「冗談はやめてくださいよー」と笑うと霧野先輩は「冗談じゃない、本気だ」と真顔で言ってきた。俺は内心、(嘘、だろ)と何回も思った。「返事はいつでもいいから」とそれだけ言って走って行ってしまった霧野先輩はあの時もキャプテンと一緒に帰ってた。

(本当に意味わかんない)

霧野先輩のことは別に嫌いじゃない(まぁ、最初の頃は大嫌いだったけど)。女みたいな顔のクセに男気たっぷりの先輩は俺にとってはちょっと親しい先輩、といった程度としか思っていなかった。

いつもくだらない俺のお遊びやちょっかいに構ってくれるものだから、この人暇なんだなーって思っていたら……俺のことが好きだったなんて、

(ど、ドッキリじゃ…ないよな)

それにしてもどうしようか。

「狩屋ー?」

いつも一緒に帰っている輝君の声がして振り向く。

「まだ、帰らないの?」

「え、あぁ……今、帰るよ」

どうやら輝君を随分と待たせてしまったみたいだ。俺は「ごめんごめん」と謝る。輝君は「大丈夫だよ」と笑う。

「狩屋、何か悩み事でもあるの…?」

「んー?何で?」

「何か悩んでたから」

にこっと笑う輝君。俺はちょっと輝君の意見を聞こうと昨日のことを話す。

「だから霧野先輩……狩屋ばっかりみてたんだ」

「え、気づいてたのかよ……そういうのは言ってよ……輝君、」

「だって、なんか狩屋も気づいてるって思ってたから…」

「気づかないって、うわー…本当にどうしよう」

ああ、霧野先輩……マジ怖い。でも、嫌いじゃないし……断ったらなんかされそうだし、

「じゃあ、ボクと付き合わない?」

俺は立ち止まり「はっ、?」と言うと輝君はにこっと笑う。

「ボクも狩屋が好きだから」

俺は目を見開く。

「そ、そそそういう問題じゃ…」

「ボクと狩屋が付き合ってるって分かれば霧野先輩も諦めるよっ」

ずいっと顔を近づけてくる輝君。俺は顔が熱くなるのを感じた。

(つか、何だよ……俺、モテ期か?)

「ボクと霧野先輩、どっちをとる?」






















壊れてしまったトライアングル
(今の関係を崩したくない)










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もてもてマサキが好きです




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