「眠いのか?神童」 「…………へ、?」 部活の練習メニューが今日から一気に増えたせいか、みんなが帰って三国さんと今度の試合について話しているうちにうとうとしてしまったみたいだ。 三国さんはそんな俺にくすっと笑った。 「ぁ、い……いえ!ねね眠くなんかありません!!」 「そうか?さっきからうとうとしているじゃないか」 「ぅ、うぅ……す、すみません」 「いや、今日は流石の俺でもキツかったし……神童が眠くなるのも無理はないさ」 三国さんは「よし、今日は帰るか」と笑った。俺は「だ、大丈夫ですよ」と言ったが三国さんも本当に疲れているみたいで「俺のわがままだと思ってくれ、頼む!」と言ったので俺は素直に頷いた。 「今日は流石に疲れたよな」 そう言いながら彼は俺の頭をぽんぽんと叩いた。 「はぃ……鬼道監督はハードですよね」 「ま、みんな楽しそうだから俺は構わないけどな」 「サッカーも楽しそうでしたもんね」 と言うと「天馬かよ」と三国さんが笑う。 「鍵、閉めたか?」 ガチャと言う音と共に俺は「はい」と言う。三国さんは「じゃあ帰るか」と手を差し出してきた。 「はい…」 顔が熱い。手が熱い。三国さんの手が少し冷たい。三国さんはそんな俺の手を握って「あったかい」と微笑んだ。 外に出る。外は寒い。 「ほら、神童!走るぞっ」 「え、あ…ま、待ってください三国さん!!」 三国さんが笑う。俺が笑う。 空が綺麗なオレンジ色で染まっていた。 「三国さんっ、大好き!!」 貴方がいて俺がいて、みんながいて (だから世界があるんです) ---------- 今日は1/9、三拓の日!! ということで三拓書きました!! 幸せそうな拓人が好きです 120109 |