※ゲームネタバレ注意










「ねぇ」

ユニフォームを引っ張られる。俺は「んー?」と言うと輝君がへらっと笑った。

「な、なんだよ」

「なんでもないっ…、なんでもないよ!」

俺は首を傾げる。

「今日さぁ、一緒に帰ってもいい…?」

「え、別にいいけど」

水道の蛇口を回す。冷たい水がザァーと飛び出す。

「えと、あ……あの」

輝君は何か言いたいみたいだ。

「なんだよ、輝君?」

「う、うんと」

少しほんのり赤い頬の輝君。

「ぼ、ボクね」

水に触れるとかなり冷たかった。俺はそんな水を口に含む。

「狩屋に見て欲しい技があるんだっ!」

「へ……?」

輝君は顔を真っ赤にしてそんなことを言ってきた。

「ほ、ほら…この前さ、狩屋がスピードのあるドリブル技があれば今の雷門の戦力になるって言ってたじゃん!」

「え……ああ」

(あ、あれ?んなこと言ったっけ?)

「実はね、狩屋を驚かせようと思って天馬達と特訓したんだ!」

「へー、んで、出来たの?」

「うん!きっと狩屋驚くと……思うよ?」

「ふーん、すっげーじゃん」

「でね、技の名前が決まってなくて」

「は、へ…へぇ」

嫌な予感がする。

「天馬がねっ…狩屋につけてもらえって言うから……お願い!!」






「ヒュンヒュンダッシュ、っでどう?」

「え……?ひゅ……」

輝君が苦笑する。

「べ、別に輝君がつけて欲しいっていうからっ!!」

「ほ、他に…案ないかな」

「ほ…他ぁ?……ダッシュ……ジャンプ?」

「か、狩屋……」

「な、なんだよ!!」

「狩屋ってネーミングセンスないよ「だぁあああ、うるさぁい!!」

俺は自分の顔が真っ赤になっていくのを感じる。

「も、文句あんのかよ!!」

「え、な、ないよ?」

輝君は明らかに苦笑だ。

「その技、……スプリントワープってのはどうだい?」

後ろから聞き覚えのある声がして振り返る。

「げ、ヒロトさん」

「……スプリント、ワープ!!かっこいいです!」

輝君は目をキラキラさせてヒロトさんを見る。俺はそんな二人を温かい目で見ることにする。

「全力で走っていただろう?まるでワープしたように見えたんだ」

「わぁ…ありがとうございます!嬉しいです!!」

「だから、スプリントワープだぁ?なんか変じゃねーの」

「少なくとも狩屋のヒュンヒュンダッシュよりはマシだよ」

ヒロトさんに痛いところを突かれて頬が赤くなってしまった。

「つか、何であんたがいんだよ」

「たまたまさ」

そういうとヒロトさんは手を振って歩いていってしまった。つか、絶対様子見にきただろあの人。

輝君は「あの人と知り合いなのっ?!」と目をキラキラさせて聞いてくる。俺は「まぁ、ね」と苦笑しておく。たく、本当におせっかい。

「でも、狩屋!ありがとう!」

「へ……?!」

「付き合ってくれてありがとう!技の名前はあれだったけど狩屋に見てもらえて嬉しいよ!」

俺は目を見開いて「あ、うん」と言う。輝君は「またよろしく!」と俺に抱きついた。

「ま、まぁ……どーしてもっていうなら、また、付き合ってやるよ…」






「マサキが元気そうで良かったな」

横にいる緑川に笑いかける。

「本当に良かったよ、あーみえて人見知りだからね、マサキは」

「だから言ったじゃん、マサキなら大丈夫だって!」

緑川はにこにこする。俺は「そうだな」と笑った。

「あ、緑川……次のプレゼン何時?」

「16時だよ」

「間に合うかな……」

「間に合わせてみせますよ、社長」

にこっと笑う緑川に俺は「じゃあ、頼むよ」と肩をぽんっと叩き軽くキスをした。






















それぞれの未来へ
(頑張れ、マサキ)










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なんだろう、これ(笑)

輝+マサ+基緑 かな(笑)




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