「狩屋」 むすっとしている狩屋の肩を叩く。 「なんですか、霧野さん」 むっと睨む狩屋にくすっと笑う。 「どーかしたのか?」 「あー、疲れたんですよ」 と、ふっ切れたように呟く狩屋。いつもは可愛いく、ほんわか笑う狩屋だがそれは表の顔。裏はキリッと目つきを変えて悪魔のように毒舌になる。 「もー、早く霧野さんみたいに気づいてくんねーかな」 「お前がそんなキャラ作りするからだろ」 「うー」 こんな狩屋でも裏と表を使い分けるのが大変らしい。今のところ俺しか気づいていない。だから狩屋は俺だけに素で接してくれる。 「霧野さんは何で俺の裏の性格に気付いたんだよ」 「いや、普通に分かるだろ」 苦笑すると狩屋は舌打ちした。 すると天馬が遠くで「狩屋くーん!」と手を大きく振っているのが見える。 狩屋はにこっと笑って手を可愛らしく振る。俺はそんな狩屋に吹き出すと足を思いっきり踏まれてしまった。 「…たく、お前って本当に」 「なんだよ、」 (見てて飽きないなぁ……) 俺はフッと鼻で笑うとムキになった狩屋は頬を赤らめてキッと睨んできた。 「言いたいことがあるなら、言えよ!」 俺は「そんなに知りたいか?」と目を細める。狩屋は俺のこの顔が苦手らしくいつも目を見開いて困った顔をする。 「し、知りたいっ……!」 「ほー、知りたいか」 俺はにこっと笑うと狩屋は表の顔で頬を膨らませて俺に抱きついた。 「霧野さん…、教えてくださいよー」 「俺は騙されないぞ?」 「……」 「ま、俺はお前の表も裏も嫌いじゃないさ」 ビクッと狩屋が目をぱちくりさせて頬を赤らめる。 「ふ、ふんっ、」 「はは、」 狩屋って本当に面白い。 「おーい、狩屋ー!霧野ー!練習始めるぞー!!」 円堂監督の声がする。 「はーい」 また、にこっと手を振る狩屋に同じように吹き出す俺。それにまたむっとする狩屋がもう本当に可愛いくて。 (良い後輩をもったな……俺、) イライラしている狩屋に微笑むと頬を赤らめる。 「好きだよ、マサキ」 一緒にいればいるほど幸せになるんだ (表も裏もみーんな好き) ---------- こんな蘭マサが好きだあああああ!! はっやっれえええ!!← |