俺は今、イラついている。何故なら目の前にいる後輩がわざとぶつかってきたり、足を踏んだりしてくるからだ。今日からサッカー部に入ったクセに俺に何の不満があるんだ。他の奴らにはほんわかいい子キャラを通してるクセに俺には悪魔のような笑みで嫌がらせをしてくる。

(なんだ……あいつ)

狩屋マサキ。

奴は何を考えているのだろう。

(まさか……さっき注意したから、?)

どんだけ短期なんだ。

それにあれは注意したとも言うが、アドバイスをしたとも言う。

後輩の荒いプレーに先輩が注意しただけのことだ。

(でも、もし……そうだとしたら)

俺は自分の中で頷くと天馬や神童と話している狩屋を呼び出した。






「狩屋、ちょっといいか?」

「はぃ?」

にこっと笑うとそれはあのうざい霧野だった。ち、笑って損した。

自分のプレーに自信があるみたいだけど俺は先輩の場所をいつか無くしてやるつもりだから。

つか、俺よりもそんなに上手くない。なのに注意やらなんやらいちいちうるせーの。

俺は仕方なく霧野の方に行き、笑顔を心掛ける。

「お前にききたいことがあるんだ」

俺は少し目を細めると霧野も目を細めた。

「怒ってる…か?」

「は?」

予想外の質問に首を傾げる。霧野は焦ったように口を開いた。

「い、いや……なんか狩屋に不快な思いをさせたかもしんないな……って思って」

「へ、ぁ、いや…別に」

「怒ってない…?」

いや、怒ってないっていうか……

「怒ってはいません…」

霧野は少し「そうか」と笑った。

「でも、先輩が気に入らないんです」

そうはっきり言うと霧野は「だろうな」と笑った。

「俺みたいな先輩、気に入らないのが普通だ」

「認めるんですか」

「ああ」

(変なやつ)

「でも、同じディフェンス同士……仲良くしような」

手を差し出す霧野を見上げる。

(へっ、バカじゃん)

「こちらこそ」

そう言って霧野の手を握ろうと手を差し出すと霧野に肩を掴まれて押し倒された。

「いた、ぁ…!」

「狩屋」

ビクッと目の前の霧野を見ると奴はくすっと笑った。

「気に入らないのはお互い様だ」

「……」

無言で睨む。

「でも狩屋は俺のこと大好きになるぞ?きっと、な」

(な、何言ってんだ……こいつ)

すると霧野は俺の太ももを触ってきた。

「ん、んぅ!」

「ど、う、し、た?」

目の前で笑う霧野は悪魔だ。俺はいつの間にか自分が泣いていることに気づく。

「先輩を甘くみたな?狩屋?」

「ご…ごめ……んな、さい」

「声が小さいなー、ほら大きな声ではっきりと」

「ご、ごめ…ん……な、さい……ひ、」

霧野は満足したのか俺の額に軽くキスをして俺から離れて立ち上がった。

「まぁ、今日はこのぐらいにしといてやるさ」

(な、なんなんだよ……この、人)

「次は、……わかってるよな?」

止まらない涙を脱ぐうと霧野は鼻で笑う。

「馬鹿はお前だよ、狩屋」





















好きだからいじめたい
(これからどうやって可愛がってやろうか)










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ドSな蘭ちゃんと狩屋くん……
ぐああ……キャラ崩壊キャラ崩壊





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