※微裏注意










南沢さんは実はホラーが苦手だ。だから、この前一緒に映画を見に行った時に見たいホラー映画があってこれにしませんかって言ったら絶対無理って顔青くされた。思わずホラー苦手なんだーとからかった。普段ならまず氷みたいな冷たい眼差しを送られる所だけど、オレにだって苦手なモンがあるんだよ…と小さく呟くだけ。それは良い事を聞いた、とオレはすぐさまレンタルビデオ店に行って新作の邦画ホラーを借りてきたのだった。そして今日は南沢さんの見たがっていたサスペンス映画を借りたと言って南沢さんを家に呼び出した。勿論、サスペンス映画なんて一切借りてきてない。そうとは知らず、ピンポーンと軽快なインターホンの音が鳴って南沢さんがやって来た事を知らせる。


「いらっしゃー…うわ、またそんなエロい格好で」

「どこがだよ」


南沢さんの私服は、最近暑いから露出度が上がって南沢さんのエロレベルを更に上げている。黒でボーダー柄が入った肩を肌蹴させた中の紫タンクが見える薄地のTシャツ、下はグレーのサルエルパンツで足元はコルクサンダル。何がエロいって肩を肌蹴させるっていうファッションセンスからしてエロいよね。ぱっと見女子に見間違える位だ。その晒された肩を舐めたい衝動に駆られる。


「で、ちゃんと冷房は効かせてあんだろうな」

「勿論っスよ。先行って待ってて下さい、飲み物持って来るんで」


暑そうにしている南沢さんを部屋に行かせ、冷えた炭酸ジュースをコップに注ぐ。全て順調。計画通りだ。思わず緩みそうになる表情筋を引き締めて南沢さんが待つ部屋に入る。南沢さんはベッドに座って足を組みサッカー雑誌を読んでいた。伏し目がちになっているその表情がまた艶っぽい。


「南沢さん、飲み物っスよ」

「あ、サンキュ」


こちらを振り向いて笑う南沢さんに、ジュースを置いてベッドに膝を乗せて顔を近付けてキスを迫れば南沢さんは目を細めて自分から唇を寄せてくれた。オレの髪に指を絡めて鼻から抜けるような甘い声を上げる南沢さんに腰が少し重くなる。南沢さんの肩を掴んで押し倒そうとしたら、南沢さんに肩を押し返されて抵抗される。


「…セックスは、映画見てからでも出来るだろ?」

「はいはい」











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