「怖いんだ」 いきなりの言葉に何事かと思うと南沢は深刻な顔でそう呟いた。 「ど、どうかしたのか……?」 「……怖い」 怖い怖い、と連呼する南沢。俺はそんな南沢の肩をポンポンと叩く。 「どうした?何かあったのか?」 するといきなり涙を目に溜めて俺に抱きついてきた。 「な、慰め……ろ」 本当に何があったのだろう。小刻みに震える南沢は俺が思っていたより弱々しかった(それはもう女子みたいに)。 震える南沢を抱きしめる。 「ひぅ、さ 三ご……く、」 ああ、泣き出した。 頭を撫でてやると俺の制服を握りしめる。 「こえ…よ あ、ああ……ああ、」 「何が怖いんだ……?」 俺がまた同じことをきくと南沢は何も言わずにさらに声を大きくして泣きはじめた。 「よしよし……大丈夫だからな」 こうなってしまうと俺に出来ることなんかこれぐらいしかない。 (きっと、きいてはいけないことなんだな) そう解釈した俺は南沢が落ち着くまで抱きしめて頭をずっとポンポンと撫でた。 たまにはこういうのも悪くない。 何が何だかわからないけど (俺が傍にいてやるから) ---------- 多分自分が今こうして欲しいんだろうな ああああ……… だが、南沢の涙には三国さん 弱いと思うんだ |