「弱いですね」 いきなり言われた言葉に「は?」と首を傾げると倉間は真顔でもう一度「弱い」と言った。 俺は無性に腹が立ったので舌打ちすると奴は「弱い弱いでスよ、南沢さんは」とまだ言ってきた。 「ふざけんなよ」 「ふざけてません」 じゃあ何が弱いのか、ときいたら「心が」と返ってきた。 「ハートが弱い」 「何言ってんだよ、大丈夫か」 「大丈夫でスよ、つか南沢さんわかりやすいんでス」 俺は目を見開くと倉間はにやっと笑った。 「今、三国さんと喧嘩中スか?」 よくわかったな、というより何でわかったんだよ。何これ怖い。 「そう……だけど」 「ほら、やっぱり」 嬉しいのか倉間は上機嫌で笑う。 俺はイラッとしたので倉間を睨みつける。 「三国さん、あんまり怒ってないと思いまスよ」 「お前には関係ない」 倉間はまたにやっと笑う。 「つか、何?嫌み?」 「別に、早く南沢さんが三国さんと仲直りして欲しいなと思っただけでスよ」 本当か、と疑いの目線を送ると倉間はじっと俺を見る。 「疑ってるんでスか?」 「まぁな」 「ふーん、心配してあげてんのに冷たいでスね」 本当に心配してんのか、わけがわからない。俺はため息をつくと倉間は俺の耳元で囁いた(つかいつの間に……)。 「早く仲直りしてくださいね」 ぞくっと体が震える。 「じゃ」 そう言うと倉間はあの俺に「弱い」と言った顔で俺から離れて行く。 (何なんだよ……、あいつ) あの人で頭がいっぱいになってるあんたが憎くて仕方ない (だから早く仲直りして欲しい) ---------- 何がしたかったのかわからない…… 南沢さんは三国さんに片想いをしているというわけじゃありません ただ私も友達と喧嘩するとその子のことばかり考えるので南沢さんも同じかな…… みたいな… |