「本当に馬鹿だな、お前は……」

熱のせいで顔を赤くしながら苦しそうにしている拓人にそう告げると「ば、ばか……じゃない」と言い返してきた。

よしよし、元気じゃないか。

「それにしても……本当に医者に行かなくても大丈夫なのか?」

こっちはかなりお前が心配で仕方ない。

今日は聞く限りだとこのお城のようなお屋敷には拓人一人しかいないそうだ。

熱があるのにキャプテンだからとか変な責任を抱えて無理して部活を出た結果がこれだ。

(だから俺はやめろって言ったのに、)

「だいじょ…ぶ、しんぱ…いするな」

「心配するに決まってるだろ?バカ拓人」

ふいに拓人の額に手を当てて自分の体温と比べてみる。

(あつ……、)

不安が増すだけだった。

「ら、らんまるの……手」

「ん?何?」

「つめた…ぃ、」

拓人は気持ち良さそうに笑う。

「あ、あつく…なってきた」

「それだけ拓人の体温が熱いんだよ……たく、氷もってきてやるよ」

俺は拓人の傍を離れようと立ち上がる。

「ま…て」

と着ている制服を引っ張られる。

「ちょ……何」

「い、くな」

その言葉に目をぱちくりさせていると拓人は頬を赤らめた(元から赤かったからさらに赤くなった)。

「…………寂しいの?」

涙を目に溜めている拓人に微笑む。

「仕方ないな……でも冷やした方がいいぞ?」

「いい……んだ」

何がいいんだか。

俺はくすっと笑って拓人に顔を近づける。

「うつる……」

「別に気にしない」

キスをしてやると予想以上に拓人の唇は熱かった。

「はやく、元気になーれ」






















これは、おまじないだよ
(はやく元気になって欲しいから)










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蘭拓で拓人が風邪、です
風邪って熱……で良かったんでしょうか
ただの、ごほんごほんの風邪でしたら
すいません……・ω・`

拓人って弱々しいな……というより
いつも頑張ってるからこその
このギャップだと私は思います←

では素敵なリクエストありがとうございました
またよろしくお願いします!




110704

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