(あの人は何を見ているんだろう)

紫色の綺麗な髪を風に靡かせながらベンチに座って水分補給をしている南沢さんはずっと何かを見ていた。

「南沢さん?」

「ん?」

南沢さんが俺に気づき「何?」と言ってきた。

「何を見ていたんですか」

「知りたい?」

にこっと意地悪く笑うと「まぁ、座れよ」といわれたので座ることにする。

「あいつ、」

と指される。そこには倉間がいた。

(……くらま?)

「昨日ずっとそこで練習してた」

だからなんなんだと首を傾げると南沢さんはにやっと笑った。

「素直じゃねーよな、あいつ 可愛いくねーの」

「……それが、どうかしたんですか?」

「んー?いや、別に意味はねーけど……なんだかんだ言って松風に負けたくないんじゃね?」

「いや、そうじゃなくて……」

俺が俯くと南沢さんは「は?」と言ってきた。

「何で……倉間を?」

「べ、別に 大した理由はねーけど」

嘘だ。

直感でそう思った。

この人は……

「つか 神童は何でいつも俺ばっかみてんの?」

「へ?」

顔が赤くなる、南沢さんはくすっと笑った。

「俺に惚れた?」

「い、いえ 違います……」

にやにや笑う南沢さんは俺の耳にちゅっとキスをした。

(あ………ぇ、?)

「話、きいてくれたお礼」

なんて言って立ち上がってみんなのところに戻っていってしまう。

「み、南さ

「南沢さーん」

そんな南沢さんを呼び止めようとしたら倉間が南沢さんに抱きつく。

「な、なんだよ 離れろよ倉間」

「えー、先輩 喜んでるでしょ 絶対」

「ち、うぜー」

それはいつもの光景なのに、

俺は見てしまった。

(やっぱり、そうなんですね)

南沢さんが頬を赤らめてる。

貴方は意地悪だ。

(ああ、そっか)






















お礼なんかじゃないんでしょ
(諦めろってサインでしょ?)










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贈り物用にかいたんですが……
ちょっとダメでした、





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