「あ…雨」

吹雪はぼんやり外を見る。

天から降り来る雨を眺めては神様の涙なのかなあ、なんて思ったり。
しかしはっと直ぐに我に返る。

「僕傘持ってきてないよ!?」

「おーい吹雪、静かにしろ、授業中だぞ」

*****
放課後。

ざあざあ降り続ける雨にため息をこぼしながら、濡れて駆けていく心の準備をする。

すると、

「吹雪」

振り返れば、蒼い髪を靡かせて此方に向かってくる一人の人間を見つける。

「風丸」

ぱぁ、と輝くような笑顔を向ける。

「お前傘持ってないんだよな」

「あ、うん」

「なら、はい」

そう言って折りたたみ傘を手渡される。

じゃあな、と雨の中走り去っていこうとする相手の服を引っ張り引き止める。

「な、」

「風丸持ってないの?」

「吹雪に貸したからな」

「じゃあ、あの、一緒に入って良いよ!」

後日自分のせいで風邪など引かれては堪らない。

風丸は少し考えて頷いた。


*****
「…」
「…」

会話が、無い。
気まずいとかそんなんじゃ無いはずなのに。
やっぱりまずかったかな?

重苦しい雰囲気に苦しんで、でも話しかけづらくて、結局無口。

ふと気付いたことがある。
吹雪は風丸に問い掛けた。

「ね、風丸の家逆方向だよ」

風丸は少し肩を震わせ、にこりと笑顔を見せて

「あ、えっと、こっちからでも、帰れるから」

「でも…」

「送っていくから」

何だか悪いな。
でも断りたくない。

一緒に居れるから…?

吹雪は自分の何とも言えぬ気持ちに首を傾げる。

そして吹雪は風丸の肩が濡れて居るのに気づく。

「もっとこっち寄っても良いよ?」

「そうしたら吹雪が濡れる」

風丸はそっぽを向く。

「何で其処までしてくれるの?」

風丸は歩を止める。

言いにくそうに辺りを窺えば、


「吹雪が好きなんだ、だから、」

「本当…?」

「ああ」

「僕も、風丸が好きだよ」

「え…?」

「本当だよ」

「嘘…だろ、嬉しい」

顔を真っ赤にして目尻涙を溜める風丸を照れ笑いを浮かべながら見つめる。

そして、どちらからともない、甘い甘いキスを交わす。


rain.










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「混沌カフェオレ。」のここうぇっと。さんから3000打フリリク文としていただいた風吹です

´∨`*はふはふ
なななななんて可愛いんだ……
にやにやが止まらない、だと…?

と…とにかく!
おいしい可愛い二人を
ありがとうございました!
もぐもぐもぐ…!・ω・*




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