「どうかしたのか?」

豪炎寺さんと一緒に帰り道を歩いていたらしゃがんでぐすぐす泣いてる小さな男の子に出くわす。

ああ、ほら 豪炎寺さんはこういうのを放っておけないからすぐ駆け寄ってこれだ。

「どこか擦りむいたのか、?大丈夫か?」

「……」

またはじまった。

豪炎寺さんは俺より年下の子供に凄い優しい。妹がいるからかもしれないけど、

(それに、なんか俺に接する時より絶対優しいし)

「ままが……いない」

「迷子なのか…?よし、お兄ちゃんと一緒に探そう」

「ほ…ほんと、?」

豪炎寺さんはにっこり笑ってその子と手を繋いで立ち上がった。

俺ともまだ手なんか繋いでくれないのに

「……」

「虎丸 俺はこの子の親を探すから先に帰っててくれないか、?」

「え、あ はい……」

一緒に探そうとかじゃないんだ。

(……本当に、俺のこと好きなのかな)

「じゃあな、ほら いこうか」

「はい……」

俺に背を向ける豪炎寺さん。

(あんな風に笑ってくれないクセに)

むぅう……

俺も豪炎寺さんに背を向ける、

視界がぼやけたけどきっと気のせいだ。






「虎丸 昨日の子の母親 ちゃんと見つかったんだ」

俺に会うなりこれだ。

「え、ああ そうですか」

「昨日の子もサッカーやるらしい だから今度サッカーする約束もしてきたんだ」

なんか豪炎寺さん、楽しそう

(俺といるより……きっと)

「虎丸、?」

「豪炎寺さんのバカ」

「……え?」

「もう豪炎寺さんなんか知りません!」

「と、とらま」

そう言い終わる前に俺は全力で走って逃げた。






どうしたんだろうか、

(虎丸の様子がおかしい)

俺は何かしただろうか

「と 虎丸」

虎丸の肩を掴む。

「触らないでください」

と嫌そうな顔で言われてしまった。

(……虎丸)

まさか昨日、男の子を優先したからだろうか。有り得なくはない。

いや、おそらく昨日の男の子が原因だ。

(……本当に)

俺もバカだな






「ねぇ、鬼道君」

「なんだ、吹雪」

「あれは何かな、あれのせいでチームの雰囲気最悪じゃない?」

吹雪が指す方には豪炎寺。

豪炎寺はぼーっと困った顔で虎丸を見ていた。

「喧嘩……かな?」

「かもな、全く」

手間のかかる奴らだ。

吹雪は頷く。

「虎丸くーん!」






「なんですか」

虎丸君の声のトーンが低い。

これは相当怒ってるな、

「豪炎寺君と何かあった?」

「……何でそんなこと」

「お前達か仲直りしてくれないとチーム全体に影響がでるからだ」

「もう…豪炎寺さんなんか知りませんよ」

ちょっと泣きそうな顔でそう言われてしまうと気になって仕方ない。

「とりあえず 話してみろ」

「……は はい」






「つまり 嫉妬か」

「……微笑ましいなぁ」

「な、ば バカにしないでください!!」

吹雪さん達が微笑む。

俺は真剣に話したのに二人は何で……

「豪炎寺さんは俺なんかより……なんかより……」

「それは違うよ」

吹雪さんがにっこり笑った。

「豪炎寺君、虎丸君のことすっごい大切にしてるじゃない」

「え、……?」

「ああ、あいつはほとんど喋れば虎丸が、虎丸が…ばっかりだからな」

「それにさ やけに虎丸君に優しいし」

え、

嘘……

「特別なんたよ 豪炎寺君にとって君は」

「まぁ 所謂、恋人みたいな……感じなんだろうな」

「ここ恋人…?!」

「うんうん、」

特別って、そういう特別だったんだ……

「だから拗ねちゃダメだよ」

二人はにやにやする。

俺は頬が熱くなっていくのを感じた。






「豪炎寺…さん」

「と 虎丸」

俺は豪炎寺さんに抱きつく。

ああ、知らなかった

知らなかったから甘えたい

「……すまん」

「いいです、もう」

頭を撫でてくれる。

「ふふふ、豪炎寺さぁん……」

「なんだ?甘えん坊だな」

「甘えたいんです……豪炎寺さんに」

「好きなだけ、甘えるといいさ」

「豪炎寺さん、」

ぎゅっとさらに抱きしめる、

豪炎寺は首を傾げた。

「大好き、です」






「ねぇ、鬼道君」

「何だ……」

吹雪はイチャつく二人を見ながらくすっと笑う。

「もうちょっと焦らしておけば良かったかな」

「そうだな、」

お互い顔を見合わせ笑う。

教えたことをちょっと後悔しながら、





















かまってしい、甘えてしい
(もっと笑っていて欲しい)










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豪虎です!

一応、設定に添って書いたつもり
です……いかがでしょうか、
不安で仕方ないです(泣)

こういう豪虎も好きです!
本当に豪虎は可愛い……

素敵なリクエストありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!




110525

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