「手」

横にいる風丸に手を差し出す。

まだ“恋人”という関係になって三日しかたっていない。

このままじゃ進展しなそうだから、

(俺がリードしなきゃ)

風丸はきょとんとするとにこっと笑って俺の手を握った。

(あ、)

恋人繋ぎ……

「いつもより素直だな、不動」

「は、はぁあ?何言ってんだよ、ばーか」

「だって 三日前なら俺と話してても知らんぷりだったじゃないか」

「お前の話 つまんねーんだもん」

風丸はムスッとする。

「つまんないとは何だよ」

「だって お前 他人の話ばっかだし」

おい、ちょっと待て

これじゃぁまるで……俺が

「俺のことが知りたいのか?」

「……ぇ、い いや 違ぅ…わけじゃ ねーけど、」

顔がどんどん真っ赤になっていく。

ああ、ヤバい

「だったら俺も不動のこともっと知りたいな」

「は?」

「俺だけに話せることないか?」

「……ねぇよ」

あっても話すわけねぇだろ。

「つか お前はねぇの?」

「俺?」

唸る風丸に俺はケラケラ笑う。

「お前もねぇじゃん」

「あるさ」

いきなり止まった風丸を見上げるとバッと抱きしめられた。

「は、?」

何、どういうことだよ

「お前が好きってこと、」

耳元で囁かれる。

身体の体温がどんどん上がっていく。

「か かぜ丸……君?」

きょとんとしていると風丸はくすっと笑って俺の頬にキスをした。

「あ、は?」

「何だ?口が良かったか…?」

そう言って笑うお前は、

まだ俺を抱きしめたままで、

「……口は、俺からする」

かすれた声でそう言えば、

壁までいつの間にか追い詰められてて、

「それは、多分 無理だな」

腰に回されたお前の手が熱くて

(ああ、……無理だろうよ)

人は見た目で判断しちゃいけないんだ、と

俺はゆっくり目を閉じた。






















いつのにかしてた
(自分からしようとしてたらされていた)










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風不です、

「不動が自分を攻だと思っているおそわれ受」……とのリクだったのですが……
いかがですか?……(泣)

なんか全然ダメですね……
でもこれでも頑張ってみました!

案外男前な風丸に驚く明王がかけて
満足です!

素敵なリクエストありがとうございました
これからもよろしくお願いします!




110524

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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