不鬼 「そのゴーグル、どーなってんの?」 「どうなってるもこうなってるもないだろ」 「ふーん」 きっとあの人からもらったんだろうな。 そのゴーグル。 俺は何ももらえなかったけど、 「つけてみたい」 「………は は?」 「そのゴーグル」 俺がにやっと笑うと鬼道はびくっとする。 「な 何を考えている………?」 「べーつに」 鬼道のマントを掴む。 「い 嫌だ!やめろ馬鹿!!」 「やめないぜ……そのゴーグルを取るまでは!!」 どーせ寝る時や俺といる時に外したりしてんのに、恥ずかしがることねぇじゃん。 「あ 後で、なら 「んだよ 別に今でもいいだろ」 「よくない!!」 ああ……もう 「いいから、とれよ!」 「これは総帥からもらった大事なものなんだ!!!!」 鬼道の声が部屋に響く。しんとなった。 はっと鬼道が俺を見るとゴーグルの奥の目が今にも泣きそうだった。 「す、すまない……今のは」 「別に、いい」 「ふ…ふど」 俺は今、どんな顔をしているだろうか。 「不動!待ってくれ!!」 鬼道に背を背け歩き出す。 (影山……あんたには適わない) そう思いながら上を向いて歩いた。 ---------- 久しぶりの不鬼! なんだかなー 110824 |