「キスしよう」

「は?」

本当に何を言い出すのだろう。

幼なじみの彼は女の子も顔負けのサラサラな可愛いらしい髪を揺らしてにこっと笑った。

「……だって付き合ってるじゃん」

「まだ 1日じゃなかったか?」

「そんな細かいこと気にするなんて、まだまだだね 拓人は」

とか言ってどーせキスしたいだけなんだろうな。

「じゃあ、お互いのこともっとよく知ろうよ」

何をまた言い出すんだ。

「じゃあ 拓人、空と海どっち好き?」

「………空」

「赤と黒なら?」

「赤」

「じゃあ 部活と学校は?」

「………うーん、部活かな」

「なら、サッカーと俺は?」

蘭丸の方を向くとにこりともせずに真面目な顔でこっちを見ていた。

「ら、らんま…る?」

「あはは、冗談だよ 冗談」

そしたら蘭丸は「次は拓人の番」と言ってきた。

「……年上と年下なら

「拓人かな」

「………」

「何か?」

蘭丸はにこっと笑う。

「なら 電話とメール

「拓人からならどちらでも」

なんかだんだんわかってきた。

「……ふざけてるでしょ?」

「いや 真面目だけど」

蘭丸はにこにこしながら俺に近づいてきた。

「さて ステップ踏もうよ 拓人」

「ま まだ手も繋いでないだろ!!やめろって!!」

「嫌だ」

ああ、うう……もうダメだ。

俺は諦めて目を瞑る。

「………?え ら 蘭丸…?」

「やっぱりやめた」

蘭丸はふっと笑って俺の頭をぽんぽんとした。

「拓人はまだ、俺のこと……そういう対象にみてないだろ」

「そ、そんなこと」

「なら、拓人」

また蘭丸の顔が迫ってきた。

「俺とサッカー どっち好き?」

さっきは驚いて返事が出来なかった。

蘭丸はその答えが知りたいのだろう。

「そんなの、蘭丸に決まってる」




















何でもいいからりたいの
(はじめて君とのキスをした、)










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なんか、付き合って初々しい蘭拓が
好きなんですよね……あらら





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