「飴食べる?」

蘭丸からいちご味の飴をもらった。

「拓人 その飴好きでしょ」

「うん、どうしたんだ これ」

袋を破いて飴を口に含む。

「昨日 久しぶりにあったから拓人の為に買ったの」

「え わ わざわざ?」

「そう」

蘭丸はにっと笑うと「だって好きでしょ?」と言ってきた。

「ま まぁな」

「いちご味が好きなキャプテンか ギャップがいいね」

「蘭丸……ふざけてんだろ」

「当たり前じゃん」

またにこにこ笑ってなんだか楽しそうな蘭丸は俺の手を握ってきた。

「ど どうした…?」

「こうやって昔はよく飴貰いに行ってたなぁーって思っただけ」

「ああ、」

そういえばそうだ。

蘭丸はよく女の子に間違えられてたっけ。

「拓人 昔から泣き虫だったよね」

「今は泣き虫なんかじゃ

「そう言い切れる自信があるんですか?キャプテン?」

なーんて言われて笑われて、

(俺達はずっと一緒なんだ)

幼稚園も小学校も中学校も、

きっとこれから先も

「まだ あるよ 飴」

蘭丸がポケットから飴を二三個出して俺に手渡す。

「蘭丸は?」

「何言ってんだよ、俺は」

体を引き寄せキスをされた。

蘭丸は俺の口の中で飴をコロコロ転がした。

「ふふ こうやって食べるからいいんだよ」

俺はというと結局涙目で真っ赤で、

ただ蘭丸に「バカ、ばか」っていうしかなかった。






















いちご味の
(それはいくつになっても思い出の味)










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いちご味っていいなぁ、なんて





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