「本当に神童は泣き虫だな」

そう言われて振り向くと三国先輩がくすっと笑って立っていた。

「そう、でしょうか……」

「そうだろ 今だって泣いてたんだろ?」

首を横に振れば三国先輩はまたくすくす笑う。

そんなに俺は面白いだろうか。

「な 泣いて、なんか」

「泣いてるって、だってほら」

両頬を三国先輩の手で包まれた。

この手でいつもボールを取っているんだ、と思うと自然と俺はその手を握っていた。

「目が潤んでる」

手があったかい。

自分の頬もだんだんあったかくなってきた。

「先輩、」

「ん?」

「三国先輩の手はあったかいですね」

「まぁ、な 神童の頬も熱いけどな」

意地悪そうにそうやって笑う先輩をムッと睨みつけてみる。

貴方はそれをわかってるはずなんだから。

「恥ずかしいのか?」

「……当たり前です」

するとそのまま抱きしめられた。

体がどんどん熱くなってきてしまう。

「はは、なんか神童ってあったかいよな」

「……褒めてますか?」

「まぁ、褒めてるつもり」

なんて言って、額にキスされた。

「………!!」

「照れすぎ、神童」

「だ だって、」

「キャプテンだろ?ほら、泣くなってば」

「ひ、ぅ」

ああ、恥ずかしい。

「三国先輩は……ずるい、です」

「そうさ、俺はずるいんだよ」

「ずるい、ずるいずるい」

三国先輩の胸に顔を埋めてそう呟き続けた。

先輩はどんな顔をしているだろうか。

「それでも、好きだろ?俺のこと」

ああ、……ずるいずるいずるい、

貴方は本当にずるい。

「……当たり前、です」






















ずるいから
(悔しいけど認めるしかない)










**********

イナゴはじめてのカプ!

なんていうのだろうか……
多分 三国先輩×拓人だから
三拓ですよね……?

三国先輩がカッコ良すぎて
ちょっとどうしようかと思いました





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