「不動、好きって言ってくれないか」

いきなり真顔で俺に言ってきたこいつは俺に抱きついている。

長いこいつの髪が俺の頬に触れてくすぐったい。

「嫌だ」

俺はその言葉を拒否した。

「なん、で?」

耳元で囁かれる。

ぞくぞくする。

「好きじゃないから、」

そう言うとくすっと笑われた。

「本当に、?」

本当はこいつが好き。

好きすぎて胸が痛い。

「さぁ」

曖昧にごまかしてみる。

「俺は好き」

「ふーん」

本当は嬉しくて心臓がバクバクしてる。

俺もこいつを抱きしめたいのに素直になれなくて、そんな自分が嫌いで。

「好き、好き 大好き」

きっとこいつはわざと俺の心臓の音をきくために言ってるんだろうな。

だって、素直なのは心臓ぐらいだから。

「……風丸」

「なに?」

「俺のどこが、好きなわけ?」

風丸は俺の背中をぽんぽんと叩いた。

「そういうとこ」

「は?」

「不動は俺のどこが好き?」

「…………」

ちょっと考えてみる。

「そういうとこ」

「俺と同じじゃないか、ふふ」

またぎゅぅと抱きしめてきた。

「不動、体温上がってきたな」

「……何言って」

いきなり耳を舐められる。

「ふ、ぅ ちょっ 待て」

「待てない、待ちたくない」

風丸はキスをしてきた。

「お お前、な……」

「心臓、うるさいな」

そりゃ、当たり前だろ。

「不動 好き、」

風丸は俺の胸に耳をあてる。

「ば ばか やめ、」

「不動、俺のこと大好きだろ」






















素直じゃない、でも素直
(君からきこえるドキドキは素直で)










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素直になれない明王をただかきたかっただけ……後は甘える風丸さんとか





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