「空 綺麗だよ」 吹雪が俺の腕を引っ張る。 「ほら、ね?」 「本当だ……綺麗だね」 久しぶりに二人きりだから吹雪ははしゃいでいるみたいだ。 「なんだか一之瀬君と出かけるの久しぶりだよね!」 「うん」 「どこいく?なにする?」 元気な吹雪をみると俺も元気になる。 そんな気がした。 「吹雪が決めていいよ」 「僕は一之瀬君と一緒ならどこでもいいよ」 きっと 今日をずっと楽しみにしてたんだろう。吹雪は本当に楽しそうだ。 「あ そうだ」 「ん?」 「ドーナツ 食べに行かない?」 「ドーナツ?」 吹雪は財布を取り出してあちゃこちゃしながら一枚のスタンプカードを取り出した。 「……えと」 「もうすぐ期限なんだ」 とカードを受け取る。 どうやらポイントがかなりたまっていてドーナツがタダで食べれるみたいだ。 「吹雪はドーナツ好きなの?」 「うん 意外かな」 いいや、ぴったりだ。 「吹雪はアイスってイメージだったかな」 あえて言うなら、ね。 「アイスか あ あるよ!アイス屋さんのカード!」 とまた財布からポイントカードを取り出した。 「ね!?」 これも かなりポイントがたまっている。 「吹雪は甘いものが好きなの?」 「たこ焼き屋さんとかもポイントカードあるよ」 ああ、なるほど。わかった。 「ポイントカードが好きなんだ?」 「え うん、一之瀬君は好きじゃないの?」 ポイントカード。 俺はそんなに何回も同じ店には行かないから「カードを作りますか?」って言われたらいつも断っている。 「好き、っていうか あんまり作らないんだよ」 「えー 勿体無いなぁ」 「そう、かな?」 「うん」 吹雪は微笑む。 「今度何か食べに行ったりとかする時、僕を連れてって!」 「え?」 「そしたら僕がカード持ってると思うから!」 吹雪は胸を張ってそう言った。 (それって、) また俺とデートしたいっていう口実? それともただのポイント集め? 君は、何て言うだろう (顔を真っ赤にするか、きょとんとするか) ********** 3位だった一吹です ポイントカード集め、私も好きです カード持ってるとうきうきしちゃいます |