久しぶりに家にポーランドが遊びに来た。アポなしだけど…。まあもうそんなことは日常茶飯事だから慣れてはいるんだけど今日はいつもと違った。
「リトー早く開けろしー」
「ああはいはい待ってね…」
仕方ないみたいな声色で言ったが内心では久しぶりに2人きりでポーランドに会えるのが嬉しかった。
「あ……イタリア君?」
「チャオー!リトアニア!」
ドアを開けるとそこに立っていたのはポーランドだけじゃなくイタリア君もポーランドの横にいた。
「リトの家に遊びに行くって行ったらついてくるって言ったから連れてきたしー!」
「きちゃいましたー」
ニコニコしてる2人からはこれっぽっちも邪気は感じられない。……イタリア君って空気読めないんだっけ…そういえば。
「まあ全然いいよ」
ため息が少しだけ漏れたけどそれには2人は気づかなかったみたいで、「さっすがリトー!」「ありがとうー」とか言いながら勝手に家に上がってリビングに向かっていった。
「…………ハァ…」
――――――――――――――
結局家に来てからポーランドはイタリア君とばっかり喋って全然俺に構う仕草も無かった。俺から話しかけても、イタリア君とのゲームに夢中で軽くあしらわれるし、散々だ。
全く…こんなの、俺ばっかり好きみたいで嫌だなあ…
遊び疲れたのか、ポーランドとイタリア君はソファに座って寄り添って寝ている。微笑ましい光景ではあるのだが、やっぱりなんか妬いてしまう。
「……ポーの馬鹿」
小さく呟きながらポーランドとイタリア君に出した飲み物やお菓子の皿を片付ける。こういうことはなんだかやってしまう。
「………んんん…」
「!」
キッチンに向かおうとした時、背後から声が聞こえた。振り向くと、身体を起こしたポーランドが目をこすっていた。
「……んんー…リト〜」
「………何」
返事をすると、こっちに来て、というように手招きされた。それに素直に従ってポーランドの横に座る。
するとポーランドが俺の腰に手を回して抱きついてきた。
「なっ…ポーランドっ…寝ぼけて…」
「リト、妬いてた?」
「………!!」
腰に回した手をそのままに、顔を上げてにやりと笑うポーランド。
こいつっ…確信犯か…っ
「……妬くに決まってるだろ。あんな…」
照れ隠しに顔を背けながら言うと、ポーランドはクスクス笑った。
「なっ…笑うなよっ」
「だって…嬉しいんだもん」
「嬉しいって……」
「だってさ、リトあんまりそういう感情出さないじゃん?だからたまには嫉妬してほしかったってゆーか」
ポーランドが喋ってる途中で優しく口を口でふさぐ。
「……!リト、」
「…あんまり妬かせないで……俺がどんだけポーのこと好きだと思ってんの」
困ったように笑いながら言うと、知ってるしー!とか言いながら俺に再び抱きついた。
結局このバカを甘やかしてしまうんだなあと、ため息が出たが、そういうポーランドが好きな自分はもっとバカなのかもしれない。
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