2012.09.26_ひろver

「ひろ、こっちこっち!!」

「ちょ、玲音、待てって…!!」

夢の国を駆け回る二人。

「あ、コレそうじゃない?!」

「あぁ、でもアレはなくなってるな…。」

まるで何かを思い出しながら廻っているよう。

「でもさ、よくあの時一緒に来てくれたよね。」

「そりゃあれだけ玲音が必死にお願いしたら嫌だとは言えないだろ。」

「フフフ、そうだよね。ひろも手伝ってくれたし……」

二人の間に流れる沈黙。

それぞれ同じ時に思いを馳せる。

「「(赤木さん……)」」

そう、かつて二人はあの赤木しげるとこの夢の国に来ていたのだ。

(赤木さん、アレ乗りましょう!!)

(はぁ?なんでオレが…)

(怖いんですか??)

(…あ?何言ってんだ、ほらさっさと乗っちまうぞ!)

(やったぁー!!ほら、ひろも早く行こう?)

(あ、あぁ…)

思い出の欠片を集めるように、今日も二人で此処へ来たのだ。

「あの時の赤木さん、けっこう怖がってたよね。」

「え?あぁ、うん……」

「フフ、ひろも怖がってたから覚えてないんでしょ。」

「う゛っ…。」

思い出しては笑い合い、また二人でその日をなぞる。

「じゃ、早く乗っちゃお!」

「わぁっ!!」

急降下し、その途中で写真を撮られ、水をかぶるという、大人気のアトラクションへ向かう。

「ねぇひろ、またいい顔してね?私、写真買うから!!」

「おまっ、ホントやめろよ??」

「ほら、落ちるよ?」

「うわぁー!!ヤメローシニタクナーイ!!!」

「キャー!!!アハハ!!!」

パシャリ

「ブハッ…口に入った…」

「アハハ、それだけ口開けてたらそりゃ入るよー!!写真楽しみー♪」

「クソッ…」

口を拭いながら、ひろはゆっくりと降りる。

「じゃあ私、先に行って写真買ってくるねー!!」

そう行って玲音は駆け出していく。

(あの時もあぁやってはしゃいで一人で先に行っていたなぁ……)

また一つ思い出の欠片を集めながら、ひろはゆっくりと後を追う。

「あっ…あっ…!!」

少し先に写真を見つめたまま固まっている玲音を見つけ、駆け寄る。

「どうした?玲音。」

「コレっ…!!」

震えた声を出しながら、そっと写真を見せてくれる。

「ん?……あっ!!」

そこには二人の間でニカッと笑いながら肩を組む、赤木しげるが写っていた。

「心霊写真っ……」

「コラっ!!でも、赤木さんも俺たちと一緒にいてくれたんだな。」

「うん……。来てよかった。」

思い出の中も、写真の中も、赤木しげるは笑っていた。

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あとがき

またもや神域不在の追悼夢。
しかもフライング。
そしてなんとも言えない稚拙な文章(´・ω・)
書いただけ良しとしよう!←
少しでも楽しんでいただければ幸いです。

ちなみになんで夢の国かというと先週旅行で行ってきたからです!
某ネズミ王国(*´ω`*)
楽しかったー♪

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