2011.09.26_ひろver
それは赤木さんの通夜での出来事。
「お前は俺のことが好きなんじゃない。自分でも気付いてるんだろう?」
何を言われているのかわからなかった。理解出来なかった。
「何の話です?私は赤木さんの事が好きです。大好きです。愛してます。だから…だから死んで欲しくないって言ってるんですっ……!!」
ボロボロと涙を流しながら必死に訴える。
「ククク…愛してる、か。ありがとうよ。」
赤木は手元のグラスを眺めながら言う。
「けどよ」
そう言ってグラスから玲音へと視線を移す。
「俺じゃあないんだよ、お前が好きなのは。ひろが憧れている俺が好きなんだ。ひろが俺を慕ってるから、お前は俺が好きなんだ。」
赤木に見つめられ、玲音の呼吸が止まる。
言わないで欲しい、それ以上は。
「お前はまだ、ひろが好きなんだ。」
トドメを刺された気がした。
「安心しろ、玲音」
「え?」
「俺がひろを生き返らせてやる。」
彼と離れた9年間。彼が死んでた9年間。あまりにも長い9年間。あまりにも短い9年間。
「だからよ」
そう言って赤木は玲音を愛おしそうな目で見る。
「俺の分もひろを愛してやってくれ。」
あぁ、そうか。この人も私と一緒なんだ。
―――とどのつまり、二人はひろを愛してた。
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(ひろ、玲音のこと頼んだぞ)
(え?)
(玲音、なんか赤木さんに…)
(ねぇ、ひろ。もしひろが嫌じゃなければまた私と付き合ってくれないかな?)
(…えっ?!)
(嫌?)
(そんな事ないっ!!…赤木さんにも、お願いされちゃったしね)
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あとがき
そうやってへろとヒロインが赤木のことを思いながら付き合ってればいいと思うんだ。
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