再会
わかっていた事だけれど、ある日突然しげるは帰ってこなくなった。
とうとう死んだか?などと心の中で毒づきながらも、きっと何処かで生きてはいるんだろうなぁと思っていた。
そんなある日。
「玲音さん?」
街を歩いていると、突然後ろから若い男性に声を掛けられた。
「誰?」
言いながら振り返り、絶句する。
(しげ…る…?)
随分背が伸び、声も低くなったようだがそれは間違いなくしげるだった。
「フフ、やっぱり玲音さんだ。変わらないね。」
微かに笑った顔がやけに綺麗で、いい男になったな、と思うと同時に恥ずかしくなる。
私はその分、もういい年のおばさんになっているのだ。
つかつかつか、としげるが歩み寄ってくる。
(嫌だ…しげるの中の私はキレイなままがいいっ!!)
「来ないでっ!!」
老けた自分を近くで見られたくなくて声を上げる。
「……?」
驚いて目を見開いたしげるが立ち止まる。
「あの時とは違うよ…。」
俯いて震えた声で私は言う。
「どうして?」
そう言うと、また近づいてきて私を抱き締めようとする。
「ダメだって!私、もうおばさんなんだからしげるとは並べないよっ!!」
私はしげるの体を押し、それを拒む。
「でも、こんなにキレイだ。」
「違うもん、しわだってしみだって増えた。だから化粧も厚くなった…!!あの時とは…」
「変わらないよ。だってオレは今でも玲音さんが好きだ。」
ギュッ
「しげ…る…?」
「それに、必ず帰って来いって言ったのは玲音さんでしょ?」
言いながら体を離したしげるは、とても意地の悪い笑みを浮かべていた。
「帰ってこなくなったくせに。」
「今こうして帰ってきたじゃない。」
言ってしげるに口付けられる。
「このピカロが…///」
「今度はオレが玲音さんのこと食わせてあげるから。」
「えっ?働いてるの?しげるが??」
「フフ、まぁね。金には困んないと思うよ。」
「そっか…じゃあまた、毎日しげるを待つ日々に戻ろうかな。」
「出来るだけ頑張って帰るよ。」
「出来るだけかいっ!!」
男らしくなったしげるに寄り添いながらまた歩き始めた。
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(お、アカギじゃねぇか)
(安岡さん…どうも)
(ん?一緒にいるのは…母親か?)
(なっ…母親っ?!(涙目))
フワッ
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あとがき
拍手お礼のしげる夢の続きで書いたつもりだったんですが…なんか微妙ですね;
困った困った。
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[mokuji]
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