親子から

コンコン

「銀さん、入ってもいいですか?」

今日は帰りが遅かったなぁ…あいつももう年頃の娘か、なんて感慨にふけっていたら玲音が部屋にやってきた。

「あぁ。」

軽く返事をし、煙草をふかす。

カチャ

「あの、銀さん。」

開いた扉の前には枕を抱いた玲音がいた。

「どうした?」

「久しぶりに一緒に寝ませんか?///」

頬を赤らめながら玲音が言う。

「あぁ、オレはかまわねぇが…」

いくら親子みたいな関係だといっても、年頃の女が血も繋がっていない男と寝ることに抵抗はないのだろうか。

そう考えている間に玲音は既にオレの布団をめくっていた。

「お邪魔します!」

よいしょっと。

小さな掛け声とともにオレの隣へ入ってきた。

「懐かしい香りがします…」

えへへ、と笑いながら玲音はくっついてくる。

「おらよっ」

「んっ!」

その様子に懐かしくなり、オレも昔のように腕枕をしてやる。

「ククク…おやすみのチューもするか?」

冗談のつもりでそう言うと、玲音が潤んだ瞳でこちらを見上げてきた。

(おっ…?)

色っぽい顔も出来るんだな、などと感心していたら突然口付けられた。

「んっ…はぁ…」

その口付けは昔のものとは違い、深く激しいものだった。

「ふっ…随分とうめぇキスだな」

口が離されてすぐ言葉を吐く。

動揺している自分がバレないように。

「これは昔、巽さんが…あっ!」

玲音は言ってすぐ口を塞ぐ。

「ほぉ…?巽が?」

意外な男の名が出され、嫌な笑みになる。

「あ、いや、違うんですっ!!」

それを見た玲音があたふたと弁解を始める。

「何が違うんだ…?」

「あの、えっと……昔、キスの仕方がわからないって言ったら巽さんが…///」

何も違わねぇじゃねぇか、と言おうとすると先に玲音が言葉を発した。

「でも、私が好きなのは銀さんですからっ!!…あっ///」

その言葉に驚き、先ほどの言葉は頭の中から消え去った。

「あの、えーっと…うぅ…」

「どうしたんだ?突然一緒に寝たいと言ったかと思えばキスまで…」

優しく玲音の頭を撫でながら言う。

「…実は今日、最近お付き合いしてた方から押し倒されまして。好きな人とならいいかなって思ったんですけど触れられた瞬間何かが違うって感じて…。」

ぽつぽつと玲音が話し出す。

「思わず相手を突き飛ばしちゃったんですけど、その瞬間頭には銀さんが浮かんでて…」

そこまで言うと玲音は俯いていた顔を上げる。

「今まで私、銀さんはお父さんみたいな存在だって思ってたんですけど、ホントは違ったみたいです。ずっと…好きだったんです…」

そう言ってもう一度口付けてくる。

「だから、銀さんとしたい…」

そう言った玲音はもう一人前の女の顔をしていた。

「いいのか?こんなじじいと…」

今更オレもやめられないが念を押す。

「是非…」

そう言って目を閉じた玲音に今度はオレから口付けた。

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銀「おぅ、巽。うちの娘のファーストキスの相手知ってるか?」

巽「う゛…どうしたの銀さん、急に…」

銀「随分お世話になったようで…」

森「え、銀さんって娘さんいたんですか?」

巽「なんだ銀さん、森田に言ってなかったの?」

銀「あぁ…ってその顔どうしたんだ、森田。」

安「なんか昨日彼女と良い雰囲気になって押し倒したら『ごめんなさい、やっぱり何か違う気がする』って断られたんだってよ!」

森「うわあぁぁあぁぁん!」

銀「……んっ?」

そのセリフどこかで聞いたような。

END
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あとがき
すみません風邪引いて熱あるのに書いたので普段にも増しておかしいかもしれません;

読んで下さってありがとうございました!

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