「あんたまたこんな点数とって…来月から塾に通いなさい。」

そう母親に言われて、とうとう訪れたその日。

キーンコーンカーンコーン

「玲音ちゃん、今日遊ぼうよっ!」

「うぅ…ごめん、美心ちゃん。今日から塾なんだ…。」

「そうなんだ…じゃあ仕方ないねっ!また明日っ!!」

クラスメイトの美心ちゃんの誘いを断り、より一層私の心は暗くなる。

「はぁ…塾とか行きたくないよぉ…」

勉強嫌だし私人見知りするし…と歩きながら何度も何度もため息を吐く。

しかし嫌だと思っていても辿り着いてしまうもので。

「せめて知ってる人がいますようにっ…!!」

そう強く願い扉を開けた。

「君、今日からの新しい子かな?」

中に入ると早速先生と思われる人に声をかけられる。

「は、はいっ!私柳玲音と言います!よろしくお願いします!!」

緊張しながらぺこっとおじぎをする。

「僕は国語担当の井川ひろゆき。よろしくね。とりあえず席はあそこに座ってもらおうかな。」

そう言って空いている席を案内される。

「わかりました。ありがとうございます。」

私はまたおじぎをし、案内された席へ座った。

(と、となりに筆箱があるけど、どんな人なんだろう…)

見たことのない人ばかりでドキドキしながら教材の準備をする。

ガサゴソとカバンを漁るように下を向いていると隣に人が戻ってきた気配を感じる。

(あ、あいさつしないとっ…!)

そう思い、勇気を振り絞って顔を上げる。

「あ、あの、私今日からここの…」

途中まで言い、相手の顔を見て言葉を飲み込む。

「標くんっ?!」

てっきり知らない人しかいないと思っていたため、クラスメイトが隣で驚いてしまった。

「柳さんもここ通うんだ…よろしく…」

「うん!良かった知ってる人いて…ちょっと安心したよ。よろしくね!」

「はーい。じゃあ始めるから全員席に着いてー。」

挨拶を終えたところで授業が始まった。

(思わず馴れ馴れしく話しかけちゃったけど、私あんまり標くんのこと知らないなぁ…)

問題を解きつつ、標くんを見てみる。

チラッ

(うわぁ…睫毛長いし、目も凄いパッチリしててキラキラ輝いてる…唇もふっくらしてるしけっこうかわいいかも?)

知らなかったクラスメイトの良い所を見つけ、段々ドキドキしてくる。

「はい、今日はココまで。次回までに次の章をやってくるようにね。」

気が付けば授業は終わり、皆帰り支度や残って自習をする準備をしていた。

(あ、ヤバイ…全然聞いてなかった…)

標くんに見惚れ過ぎた…と顔を歪める。

「柳さん。」

そこへ標くんが話しかけてくる。

「もしわからないとこがあったら言って…教えるから…」

どうやら私が授業についていけなくて顔を歪めていたのだと思ったらしい。

ここいつでも自習で使えるから、と私のことを気遣ってくれた。

「それじゃ…また明日…」

そう言って標くんは去って行く。

(かわいくて優しくて…標くんって頭いいのは知ってたけど性格も良い人なんだなぁ…)

そんな事を思いながら私はその姿をずっと目で追ってしまった。

(あれ?私どうしたんだろう…)

―――明日からの学校と塾が楽しみすぎて仕方ない。

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あとがき

学 校 何 処 行 っ た 。

標様の学パロとのことでしたが、みよこんぶ様へリクエストの強要をした結果がこれです…ちょっと血マニして焼き土下座した後に1050年ほど地下行ってきますww

しかも意味の無い越境まで入れてしまい…イメージと全然違いましたらごめんなさい><;

それでは、リクエストしてくださったみよこんぶ様・今コチラを見ている玲音様、お読みいただきありがとうございました!

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