Happy Birthday!標ver
「玲音ちゃん、9日は一緒に遊園地に行かない?」
「えっ?行く行く!!何処の?!」
「夢王国(ドリームキングダム)。」
「あの新しく出来たとこ?わぁー楽しみv」
標くんとドリームキングダムに行けるなんて最高の誕生日だぁっ!と喜びながら玲音は標に抱きついた。
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「おはよう、標くん!」
張り切りすぎて早めに着いていた玲音の元へ標がやってくる。
「おはよう玲音ちゃん。早いね。」
「もう標くんと遊べると思ったら楽しみで楽しみで…早く着いちゃった!」
ニコッと笑い、早く早くと標の手を引く。
「あ、そっちじゃない…」
「えっ?」
チケット売り場へと向かおうとした玲音の手を標が引き返す。
「このまま入れるから…」
そう言って真っ直ぐゲートへ向かう。
「え?なんで??」
それを不思議に思い玲音が標に問う。
「…顔パスだから」
それだけ言って標は足を速める。
「えっ?えっ??」
訳がわからないまま玲音はドリームキングダム内へと入っていった。
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「わぁー!!すごぉーい!!!」
数々のアトラクションを目の当たりにし、先ほどの顔パスへの疑問も吹っ飛び、玲音は目を輝かせる。
「ここってアトラクションをクリアするごとにリングがもらえて、3つ集めて景品交換所に持っていくとお土産がもらえるんだよね??」
嬉しそうに玲音が標のほうを向く。
「うん。」
「私頑張るっ!!標くんも頑張ろうねっ!!」
そう言って玲音はガッツポーズをとる。
「うん。頑張って。」
その姿を見て標は玲音を全力で応援しようと思ったのだった。
「そこのお二方。」
そこへ馬車を引いた男がやってくる。
「どうかね?悪い話じゃないよ…ランクは「マイルド」…協力をして謎を解くゲームさ…!!」
どうやら男は『迷宮のトライアングル』というアトラクションまで連れて行ってくれるらしい。
「謎解きだって!面白そう!!行ってもいいかな?標くん。」
行く気満々で馬車に乗ろうとしながら玲音は聞く。
「うん、行こう。」
そうして二人は馬車に乗った。
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「なにここ!すごい三角っ!!」
通されたのは奇妙な部屋…!広さ七、八畳の…以下略(笑)
「ようこそ迷宮のトライアングルルームに…!まずはこれを振っていただきます。」
中にいた男にサイコロを渡される。
「その必要はありません…僕が濡れる役をやります…」
標はそう言い、男へサイコロを返し部屋の隅にある棒の元へ向かう。
「よろしいのですか?ではお先にコチラにお着替えください。」
そう言って男は標へTシャツと短パンを渡す。
「…玲音ちゃん、向こう向いて…」
標くんの生着替えっ…圧倒的僥倖っ…!!と標を見つめていると本人から注意されてしまい、玲音は渋々向きを変える。
「では失礼します…」
ガチャッ!
男は着替えの終わった標の手足を拘束する。
「えっ?標くんっ??」
玲音はその様子を見ながらあたふたし始める。
「大丈夫…玲音ちゃん、頑張ってね。」
「追ってゲームの説明が放送でなされます。暫くこのままでお待ちください。」
それだけ言い残し、男は部屋から出て行った。
『説明…説明を始めます…!集中…!』
その後、男の言った通りゲームの説明が放送で流れた。どうやら、ドアポストに入っている問題を30分以内に他のチームより早く答えられればクリアらしい。そして、クリア出来るまで標の入った水槽に水が入っていくそうだ。
「わわ、待っててね標くんっ!私頑張るからっ!!」
玲音は張り切って問題を手にとった。
―――――数分後
「し、しるべくん…私全くわかんない><」
うろうろと歩き回るも何もわからない玲音。
「じゃあヒント…あっちの角…」
そう言って部屋の隅を顎で示す。
「角…?」
玲音は言われた場所へ向かう。
「あっ!何か書いてある!!…AO?」
標の助言により玲音は答えへと一歩近づく。
「あと、腰板の枚数を…」
「つまり二等辺三角形……」
…が、駄目。
「標くん…私…さっぱりわかんない…」
標の首辺りまで水がきたところで玲音はギブアップを申し出る。
「そう…じゃあ答えに『風車』ってあるかな…」
突然標が答えを言う。
「えっ?う、うん。あるよ??」
「じゃあそれで送信して…」
「え?どうして??」
「……」
「わ、わかった。入れてみる…」
玲音は言われたとおり16番の風車と入力し、送信する。
『正解!!!』
「わぁ、標くん凄い!!正解だって!なんでわかったの?!」
「……あとで説明する」
「もしかしてお勉強とかになっちゃう?」
「うん……」
「じゃあ…やめとく…」
あっさりと答えを言った標に興奮しつつも勉強から逃げたい玲音は詳しく聞くことを諦めたのだった。
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「ねぇ、次はアレにしよう!!」
そう言って玲音が向かったのは生存率25%の『クォータージャンプ』。
「玲音ちゃん…この順番で選ぶの凄いよ…」
「え?標くん、何か言った??」
「いや…なんでもない…」
「そ?じゃあ行こう!!」
言いながら玲音はアトラクションへと駆けて行った。
「下にクッションがあるとはいえ、落ちたら怖そうだな…」
「他のにする…?」
「うぅん。大丈夫。入ってくるね!」
心配する標をよそに玲音はゴーグルをし会場へ行く。
クル…クル…クル…
「ふぅ…用は飛べばいいのよね…」
「それでは、開始!」
「お譲ちゃん…こっ…っ?!」
開始直後、どこからか玲音に話しかけてくる声が聞こえる。が。
「そぉーっれ!!!」
玲音は回転が終わった直後に真っ直ぐ走り、ジャンプした。
「やっっったぁぁぁ!!着地できたって事は成功よね??」
適当な方向に跳んだものの、玲音は見事に成功。
声役、見せ場なし。
「どう?標くん!!」
玲音はドヤ顔で標を見る。
「玲音ちゃん…凄いね…でも何故あの方向に…?」
「そんなの、考えたってどうせわかんないから一気に跳んだだけだよ!だって悩めば悩むほどわかんなくなるでしょ?だったら跳ぶしかないじゃん!!」
ねっ?と玲音は標に言う。
(この決断力…そして度胸…やっぱり玲音ちゃんは…)
「標くん?」
玲音を見つめたまま何も言わない標を不思議に思い、顔を覗き込む。
「考え事?大丈夫??」
「え?あ、うん…なんでもない。」
「そっか。じゃあ次行こう!!」
ニコッと笑いながら玲音は次のアトラクションを探しに行った。
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「リング3つ集まったね!!」
玲音はリングを掴みながら標に言う。
「そうだね。そろそろ交換に行こう…」
「うん!」
標に促され、二人で交換所へ向かう。
「いらっしゃいませ。こちらにお名前の記入をお願い致します。」
「はいっ!」
スタッフに渡された紙に玲音は名前を記入する。
「柳玲音様ですね。リングをお預かりします。ただいまお持ちしますので、そのままお待ちください。」
スタッフはそう言ってその場を去っていく。
「何もらえるんだろう??楽しみーっ!!」
「……」
ふいっ
玲音に声をかけられ標は顔を逸らす。
「標くん?」
「お待たせいたしました。」
そこへスタッフが戻ってくる。手には綺麗にラッピングされた小包があった。
「どうぞ。」
それを玲音へ渡す。
「え?え??こんなにいいもの貰えるんですか??」
あまりに綺麗な小包なので玲音は困惑する。
「いいえ、コレは特別です。お誕生日おめでとうございます、玲音様!」
「……えぇっ?!」
「コレはそちらにいらっしゃる標様からのプレゼントでございます。」
「しっしっ標くんっ?!」
軽くパニック状態のまま標の方を向く。
「玲音ちゃん、お誕生日おめでとう…///」
「あ、わっ、ありがとう///」
頬を赤くした標に照れ、玲音も頬を赤く染める。
「コチラもどうぞ。」
スタッフは玲音に鍵を渡す。
「コレは…?」
「あちらの塔の鍵になります。これから花火も上がりますし、どうぞ標様とお楽しみください。」
「え?!いいんですかっ?!」
「行こう、玲音ちゃん…」
標は玲音の手を引いていく。
「え?いいのっ??コレ…何このサービスっ?!」
歩きながら玲音は標に問う。
「大丈夫…ここの経営者と知り合いだからお願いしておいた…」
「えっ?えっ?!うそぉっ?!」
「ほら、早くしないと…花火が始まっちゃう…」
「あ、う、うんっ!!」
小走りになった標について行くため、また詳しく聞けないまま玲音も走り出した。
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パーンッ
「わぁ…キレイな花火……」
うっとりとした表情で玲音は塔の上から花火を眺める。
「こんな素敵な場所でこんなにキレイな花火を標くんと二人っきりで見れるなんて幸せだぁ///」
えへへ、と言いながら玲音は標の方へ顔を向ける。
「良かった…」
標も玲音の方を向き微笑む。
そして…
ちゅっ
「お誕生日おめでとう…」
「……っ?!///」
標は玲音へキスをする。
「ぁ…ぁぅ…///」
驚きのあまり玲音はよくわからない声を漏らす。
「ごめん…嫌だった…?」
その様子に標は不安になり、玲音の顔を覗き込む。
「い…嫌じゃないっ!!むしろ幸せすぎて…私もぅ死んでもいいっ!!」
ぐにゃあと幸せそうに顔を崩し、標に抱きつく。
「良かった…でも、死は少し良くない。」
「?」
「死んでしまったらいつまでもその先に進めない…」
「し、標くんっ///」
Happy Birthday Dear 玲音ちゃん!
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あとがき
かなり遅くなった上に長くなった友人に捧げるお誕生日夢の標様バージョン。
い…いかがだったでしょうか><;
標様は王になるかもしれない男だから、ヒロインも王の嫁に見合う度胸とか合ったらかっこいいよなぁなんて思ってクォータージャンプとか跳んでみて貰ったけどあんまりその雰囲気が出ませんでしたね…圧倒的文才不足っ…!!
標様はむっつりだといいと思うんだっ…!←
玲音様、読んでいただきありがとうございましたっ!
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[mokuji]
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