transformation

私が執務室で書類を整理している時だった。執務室のドアが大きな音を立てて開いて、飛び込んで来たのはノボリさんのギギギアルとクダリさんのデンチュラだった。

「どうしたの?さっきマルチからの呼び出しだったよね?」

椅子から立ち上がりとても焦っている2匹に声を掛けた。すると、ギギギアルが私の制服の裾を掴んでノボリさん達の執務室に連れて行こうとする。不思議に思いながら後を着いて行った。

ソファに腰掛けると、デンチュラが膝の上に乗ってきた。頭を撫でようと手を伸ばした時に何かが背中に乗っているのに気が付いた。
・・・なにこれ。
小さいノボリさんとクダリさん?え?妖精?
ちんまりとデンチュラの背中に座っていたのは15センチくらいのよく見慣れた二人だった。

「ヒメ!ぼくだよ、クダリだよ!」
「私ノボリでございます!」
「いや、そりゃ知ってますけどこんなサイズでは...」
「さっきマルチで戦った幼稚園児のピクシーがゆびをふる連発でね、たまたま出た小さくなるがぼくたちに当たっちゃったの!」
「はあ...」
「本当なのですよ!しばらくしたら戻るらしいのですが...」

何とも信じ難い光景だなぁ。
精巧に作られたフィギュアとかなんじゃ。

「私の今日の下着の色わかります?」
「ぴんくのふりふりのやつ!」
「下はお揃いで紐でしたね!」

間違いない。
フィギュアでも何でもない本人達だ。






こうなってしまってはどうしようもないので、鉄道員達にはある程度事情を話してフォローしてもらうことにした。トレインの運行は今さら止められないので、先に進ませないために挑戦者に勝つしかない。クラウドさんなどのベテランさん達には最終車両に乗ってもらって最後のストッパーになってもらう。

「ねぇねぇノボリ、今日はぼくたちお仕事しないでずっとヒメのそばにいれるってこと?」
「その通りです!素晴らしい!」
「こら、書類に目を通したりすることはたくさんあるんですから仕事して下さい。」

小さくなったノボリさん達の頭をぐりぐりする。...ちょっとかわいいかも。そんなことをしていたらインカムで私もトレインからの呼び出しがあったから席を立った。

「どこへ行くのです?」
「シングルトレインですよ。」
「私も行きま「だめです。」
「行きます!」

結局折れてくれなかったので、ノボリさんをポケットに入れて連れてきた。クダリさんもぎゃーぎゃー言っていたけど、ダブルの時に連れて行くと言ったら大人しくなったので置いてきたのだ。

「大人しくしてて下さいね?」
「えぇ、バトルが見たいだけですから。」

挑戦者が入ってきてバトルが始まった。いまのところはポケットで大人しくしているみたいだ。

「バルジーナ、ブレイブバード!」
「お待ちなさい!そうやってヒメの下着を見ようとしているのでしょう!」
「!?」


ダブルトレインの時は...

「ダイケンキ!なみのり!」
「ちょっと君!ヒメを水浸しにしていやらしい目で見るんでしょ!」
「・・・」








「私ちょっと怒ってます。あの後二人のことごまかすの大変だったんですから。」
「だって!ヒメの可愛い下着見られるのやだったし...」
「私とて我慢なりません!」
「心配してくれてるのよーく分かるんですけどね。」

まあ二人が過保護で変態なのも今に始まったことじゃないし、もう慣れてはいるんだけどね。でもいつになったら元に戻るんだろう?うーん、適当に戻ってもらわないと困るなぁと思っていたら、ぼんっという音と白い煙が視界を覆った。びっくりして固まっていると段々煙が晴れてきて、視界に入ったのはいつもの大きさに戻ったノボリさんとクダリさんだった。すぐに両側からぎゅうぎゅうに抱き締められる。

「やはりあの大きさではいけませんね。こうやってヒメを抱き締めることも出来ませんから。」
「うん!やっぱりぼくもヒメのことぎゅってしたい!」
「ですね、私も二人に抱き締めてもらうの好きですもん。」
「もー、ほんとかわいい!」
「えぇ、全く。可愛らし過ぎて心配です。さて、そろそろ業務に戻らねばいけませんね。」
「だねー。早く終わらせておうちでゆっくりするの!」

そういって私の頬に両側からキスをして立ち上がった二人がすごくかっこよく見えた。でもそのことを言うと絶対お仕事を放棄して構ってくると思うので私だけの秘密にしておくのです。





transformation
(いつものきみがすき、)






*****
レイ様に頂いたノスタルジックガール番外編で某フィギュアサイズになってしまったノボリとクダリ夢でした!
ノスタルジックガールは初めての連載で思いれがあるのでリクなど頂けるのはすごく嬉しいです(*´∀`*)
リクありがとうございました!



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