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White Day!


※ピアッシング注意。
ノスタルジックガール番外編




「い、痛くないですか?」
「ぼくはあんまり痛くなかったけどなー」
「何年も前のことですが、私も痛かった記憶はございませんね。」





さて、3月14日はホワイトデーでございますね。バレンタインはヒメに美味しいお菓子を頂いたので、私とクダリからお返しをお渡ししようと思います。

「バレンタインのお返しでございます。」
「わー!ありがとうございます!開けても良いですか?」
「開けて開けてー!」

かさかさとラッピングを剥がす音が聞こえ、中から小さな箱が出て参ります。箱の中身は、

「これ!最近すっごく人気のブランドのピアスですよね!?やっぱり可愛いですー!」

そう。私とクダリが選んだのは3人でお揃いのピアスでございます。もちろん男性と女性で多少デザインは異なりますが。シンプルながらも上品で存在感のあるピアスで彼女にもよく似合うでしょう。

「でも、私ピアスホールないです...」
「えぇ、そう思いましてピアッサーも合わせて買って参りました。」
「あけたげるー!」
「え...?」





リビングのラグに腰を下ろし、ぎゅうっとクダリにしがみ付いている彼女。

「開けますよ?」
「うぅ〜、」
「ノボリがぎゅってする?」
「いえ、私が開けとうございます。こちらの初めても私が頂きたいので。」
「そんな言い方しないで下さい!」

するりと小さな耳を撫でると身体がぴくりと動きましたが、冷やしているせいで感覚が鈍くなっているようでございます。

「でもしばらくはファーストピアスだからこのピアスはお預けだねー。」
「それは仕方がありません。そろそろ行きますよ?」
「は、はい!」

彼女は目を硬く閉じてクダリのパーカーを強く握りました。手の中のピアッサーにぐっと力を込めると、バチンと音がしました。

「開きましたよ。大丈夫ですか?」
「っ...、ちょっとじんじんします〜」
「ちゃんと我慢出来たねー!えらいえらい!」

ぐりぐりとクダリに頭を撫でられている彼女の目は少し潤んでいるようでした。余程怖かったのでしょうか。でもこれでもうしばらくしたらあのピアスが付けられますね。これが私達と彼女を縛る枷になってくれれば良いのですが。

「ノボリさん?」

ひょこりと私の顔を覗き込んできました。ああ、なんと可愛らしい!私貴女が好き過ぎてどうにかなってしまいそうでございます。

「貴女の色々なハジメテは私に下さいましね?」
「...っ!!」

まだピアスホールが開いたばかりの耳元で囁き、軽く噛み付くと感覚が戻ってきたのか大きく身体を揺らしました。

「あー!ノボリがえっちなこと言ってるー!」
「おやおや、そんなつもりはなかったのですが、」
「うそばっかりですー!」

私今までこんな幸せな日々が来ると思っていなかったのです。私はこの幸せを守る為ならどんなことも厭いません。ずっとずっと私の側にいて下さいまし。まあ断られても離すつもりは全くないので覚悟して下さいまし?


White Day!



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